(二)-11

 こうして眺める五人目の女は決して悪い体ではない。背が高いため、全体的なサイズ感が大きかった。だからウエストもそう細いというわけではなかった。しかし、ヒップラインは出ているので、プロポーションにメリハリはあった。

 髪型はショートではあったが、ウイッグなどがあれば、理想に近づくので問題なかった。

 しかしながら、どこか違う気がした。近い気がするのだが、理想の女性ではない気がした。


 理想の女性、それは美浜みどりであった。美浜みどりというのはこの世には存在していない。『碧と緑の愛の萌芽』という美少女ゲームのキャラクターであった。


(続く)

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