読ませて頂きました。あまりネタバレにならないよう書きたいと思います。
「思い出」というキーワードが三人の主人公たちを動かしていく進行になっていて、短いのに面白い。読後、「思い出」という言葉がより悲しく響くような気がします。
個人的に好きだったのは、第一話、第二話は回想シーンが大半なのに、第三話にはほとんどないところ。第三話はこのお話の中では「答え合わせ」のような部分で、ぐちゃぐちゃなものがすっとほどかれた感覚があります。シンプルに時間が流れ、文字なのに静けさが伝わってくる文体で、ラストでさらに引き込まれました。