ドレミファインバータラストラン列車殺人事件

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ドレミファインバータラストラン列車殺人事件

おもな登場人物

堀内警部 旅と鉄道を愛する刑事。旅先でトラブルに巻き込まれることが多い。彼の鉄道愛が警視総監からも認められ、警視庁の管轄の枠を超え、他の県で起きた鉄道関係の事件の捜査をも担当し、捜査本部では本部長兼捜査員を任されることが多い。

江田警部 堀内警部の同期で様々な事件を解決してきたエリート刑事。彼は現在配属されている城東警察署で署内で起きた事件の捜査の合間を縫い、署内から堀内警部の捜査をアシストする重要な役割を果たしている。

堀内裕也 堀内警部の15歳の息子。彼の夢は父と同じ警察官。休日は父と旅をしたり鉄道に乗ったりしている。


第一章 博物館で起きた奇妙な事件

 京急川崎駅の近くに、京浜急行電鉄の本社がある。その1階には「京急ミュージアム」という博物館もある。現在はコロナウイルスの影響で事前予約制となっているため、予約をしないと入れない特別な場所として話題を呼んでいる。堀内警部は休日を利用して裕也と一緒にそこに遊びに来ていた。実は裕也が一人で行く予定だったが、堀内警部も気になっていたので堀内警部もついていくという感じで彼が予約を取った。

「このジオラマは京急の沿線を表しているのか。ちゃんと空港もあるし、シーサイドラインまで走ってる。」と裕也が言った。

「空港線はNゲージなんだな。遠近法の関係上Nゲージが似合うのか。」と堀内警部。

その後、館内をくまなく見学していると・・・。

「あれ、智ちゃん?」と堀内警部。

「あれ、堀ちゃん?」と堀内警部と同じくらいの年齢の男性が言う。

「誰?」と裕也が聞いた。

「この人は村松智也といって、私の高校時代の鉄道研究部の部長で僕の元同級生だよ。」と堀内警部。

「そうなんだ。」と裕也。

「この子は堀ちゃんの息子さん?」と村松が聞く。

「そうだよ。それに、将来の夢は俺と同じ警察官だ。嬉しい限りだよ。」と堀内警部が言う。

「そうか、高校卒業後は警察学校に入学して警察官になったんだっけ。」と村松。

「そうだよ。高校時代に鉄道員か警察官か迷って、町を守る警察官に決めたんだ。」と堀内警部。

「そうか。」と村松。

「懐かしいな。」と堀内警部。

「そうだよ。あの時は本当に楽しかったな。」と村松。

その後、3人はシミュレーター体験の抽選の結果を見ることにした。

「当たってる!」と裕也

「楽しみだな。実はお父さん、昔の夢は電車の運転士だったんだよ。高校生の時に電車でGO!がデビューして、ゲーセンに通っていたのを覚えているよ。」と堀内警部。

「そうだったんだ。以外。」と裕也。

彼らがシミュレーターを追えるちょうどその時、トイレ付近で騒がしい声が聞こえる。

「何かあったんだ。行ってくる。」と堀内警部。

「何かあったんですか?」堀内警部が聞いた。

「あなたは?」京急ミュージアムの係員が言った。

「警視庁捜査一課の堀内と申します。」と堀内警部が自己紹介をした。

「実はそこに置かれた段ボール箱から発煙して。」と係員。

「俺もびっくりしたよ。警察には俺が通報しておいた。」と村松。

そしてその箱にはラミネート加工された紙が入っており、そこにはこう書いてあった。

「7月18日のドレミファインバーターラストラン列車は殺しの列車になるだろう。京急は最高傑作を消滅させる極悪企業だ!」

「何ですかね、脅迫状ですか?」と係員。

その後、川崎市消防局川崎消防署の消防隊が一人やってきて、その後神奈川県警川崎警察署の刑事もやって来た。

「川崎消防署の小山です。発煙した段ボール箱はもうすでに鎮火済でした。」と小山。

「時限式の発煙装置で、燃料はキャンプなどに使う固形燃料でした。」と川崎警察署の鑑識が言う。

「そうですか。私は城東警察署の捜査一課の堀内と申します。」堀内警部が言う。

「ここは管轄外では?」と川崎の警察官。

「今日は休日で、息子と遊びに来ていました。」と堀内警部。

「そうですか。とんだ災難でしたね。」と鑑識。

「いえ、慣れていますので。」と堀内警部。

その後、防犯カメラの映像を確認したところ、段ボール箱を置いた犯人が判明し、脅迫と威力業務妨害で逮捕された。彼の名前は大石卓也、川崎市内在住の30代の男性だった。

「なぜ発煙装置を置いた!」と大山警部

「発煙?俺は知らねぇ。」と大石。

「殺しの列車の意味は!」と大山。

「知らねぇ。」と大石。

「話すつもりはないんだな。」と大山警部。

「これ以上は話したくない」と大石。

その日の取り調べはこれにて終了した。

「何をやっても黙秘ですね。」と大山警部の後輩の小杉警部が言う。

「ああ、あいつは主犯ではない、誰かに雇われて、雇い主から黙秘を指示されたんだろ。黙秘しなければお前を殺すと脅せば、黙秘を貫くのは簡単だ。」と大山警部。

「詳しいですね。そっち系だったんですか?」と小杉警部。

「いや、そういう主犯をたくさん見てきた、長年の勘ってものよ。さあ、捜査に戻ろう!!」と大山警部。

「そうですね。」と小杉警部。

その次の日も大石の取り調べがあったが彼は黙秘を貫き続けた。


第二章 記念切符発売日

 7月10日、京急蒲田駅にてドレミファインバーターラストラン記念切符が発売されることになった。そして発売日は購入のための鉄道ファンが大勢詰めかけた。堀内警部も購入のために行列に並んでいた。そして、堀内警部が無事に記念切符を購入し、帰ろうとしたところ、トイレの方から女性の悲鳴が聞こえた。堀内警部が急いで駆けつけると、そこには記念切符を抱えた男性が頭から血を流して倒れていた。すぐに京急蒲田駅前交番の警察官が駆け付け、その後、蒲田警察署の警察官も応援に駆け付けた。

「現場はこちらです。」京急蒲田駅前交番の警察官が言った。

「これは派手にやられたな。」と蒲田警察署の刑事が言う。

「この方が第一発見者です。」と警察官。

「蒲田警察署の蜂谷です。被害者を発見した時の様子を詳しく教えてください。」

「中村です。着替えようと多機能トイレに入ったら男性が頭から血を流して倒れていて。」

「びっくりしますよね。」と蜂谷が言う。

「あれ、堀ちゃん?」と蜂谷。

「あれ、ハッチー?」と堀内警部。

実は蜂谷と堀内は警察学校時代の同級生で、寮生活時代は同じ部屋で寝泊まりしていたため、今でも交流があり、よきライバルでもある。

「通報したのは堀ちゃん?」と蜂谷警部。

「そうだよ。トイレを開けたら頭から血を流して倒れている男性がいて僕もびっくりした。」と堀内警部。

「さすが、歩くトラブルメーカーですな。」と蜂谷警部。

「そのあだ名、誰から聞いた?」と堀内警部。

「もう、警視庁管内では有名なあだ名だよ。」と蜂谷警部。

「そうか・・・。」堀内警部は少しうかない顔をした。

その後、到着した救急隊により被害者の死亡が確認された。

そして、鑑識も到着し、現場検証が始まった。

「被害者の名前は赤羽悠斗、51歳の京浜急行の整備員でした。死因は後頭部を鈍器で殴られたことによる脳挫傷、凶器は見つかりませんでした。」と鑑識。

「駅の防犯カメラに、多機能トイレに入る怪しい男と、その数分後に赤羽悠斗が多機能トイレに入っていく姿が映っていました。」とまた別の鑑識が言う。

「しかし、赤羽が記念切符を買う瞬間は防犯カメラには映っていませんでした。」と鑑識。

「警部、これって新たな脅迫メッセージではありませんか?」と鑑識の一人が言う。

蜂谷警部が確認に向かうと、被害者が抱えていた記念切符の裏にラミネート加工された脅迫メッセージが書いた紙が貼られており、そこにはこう書いてあった。

「殺しの列車が走るまであと1週間だ。君たちは俺たちの暴走を止められるかな?止めれるもんなら止めてみろよwww」

「京急ミュージアムの事件とこれは繋がっていたという事か。ということは、この事件には黒幕がいる。」と蜂谷警部。

「そうですよ。私も怪しいと思いましたよ、大石容疑者は主犯格の顔ではないなと思っていましたから。」と堀内警部。

その後、赤羽を殺した防犯カメラの映像を追い、犯人の住所を特定し、川崎市内に住む無職の菅谷忠次郎が殺人の容疑で逮捕された。

「赤羽を殺したのはお前だな。」と蜂谷警部。

「ああ。ドレミファインバータの機器更新に協力的だったのがシャクに障った。」と菅谷。

「あのメッセージの意味は?」と蜂谷警部。

「ただ思いついたことを書いただけだ。」と菅谷。

「同じような脅迫メッセージが京急ミュージアムでも見つかってね。」と蜂谷警部。

「知らねぇ。俺は何も知らねぇ」菅谷は明らかに動揺していた。

「今日の取り調べは以上だ。」と蜂谷警部。

「黒幕がいる事は決定的だな。」と蜂谷警部。

しかし、菅谷もその後は黙秘を貫いた。


第三章 黒幕は誰なのか

 蒲田駅で遺体が見つかった次の日、川崎警察署で大石容疑者の追加の取り調べが始まった。

「この事件の主犯はお前では無い。そうだろ!」と大山警部。

「知らねぇよ!」と大石。

「じゃあ、これはどう説明する!」と大山警部は蒲田警察署からFAXで送られてきた蒲田駅の殺害現場に残されていた脅迫メッセージを見せた。

「知らねぇ!」と大石。

「誰に雇われた?さっさと吐け!」と大山警部。

「雇い主が誰かなんて、知らねぇよ!!それにその脅迫メッセージも知らねぇ。それに俺は闇バイトサイトの求人情報をもとに段ボールを置いただけだよ。発煙するなんて知らなかった。」と大石。

「そのページを見せろ!早く!」と大山警部。

「そのページは限られた人にしか見れない情報サイトなんだよ。それに、そこで掲載されている闇バイトなら今まで何度もやっとるわ!!」と大石。

「ページの名前は?」と大山警部。

「ブラックジョブズ。」と大石。

「わかった。とりあえず今日の取り調べはこれで終わりだ。」と大山警部。

その後、ブラックジョブズについて調べてみることにした。

「大山さん、ブラックジョブズという裏バイトサイトは存在しませんでした。」と後輩の落合警部が言った。

「やっぱりか。この事件には裏で糸を引いている黒幕がいる。彼の交友関係についてスマホの通話履歴と送信履歴、ラインやSNSまで片っ端から調べろ」と大山警部。

「はい。」落合警部が言った。

その後、彼のSNSを徹底的に調べ上げた結果、ドレミファインバータ愛好会というチャンネルに頻繁に登校していることが分かった。

「大山さん、大石のSNSのDMの送信履歴を調べた結果、ドレミファインバータ愛好会をのフォロワーのうち、Tomoya Muramatsuというアカウントに頻繁にメッセージのやり取りをしていたことが判明しました。」と落合警部が言った。

「そうか。それで、文章の内容は?」と大山警部。

「ドレミファインバータがなくなってしまうのが悲しいとか、ドレミファインバーターラストラン列車のチケットの話だとか記念切符の話だとか、そういったことばかりで、事件にかかわりがありそうなメッセージのやり取りはありませんでした。しかし、二人は品川駅近くの喫茶店で頻繁に会っていたが判明しました。」と後輩の落合警部が言った。

「そうか。この事件に関する投稿は見つかったか?」と大山警部。

「いえ見つかりませんでした。」と落合警部。

その後、彼のSNSを片っ端から調べるが、事件に関与するような内容の投稿は一切見られなかった。その後は捜査が進まず、結局黒幕が誰かがわからないまま、ラストラン列車の運転日は刻一刻と迫っていた。


第四章 ラストラン列車

その後、警察の捜査も虚しく、ついにラストラン当日を迎えてしまった。警察は厳戒態勢でラストラン列車の警備をしていた。

「こちら品川駅の小野寺。現在異常はありません。」現場で警備中の小野寺巡査が言った。

そして、ラストラン列車の出発セレモニーが開催され、セレモニーには鉄道好きとして知られるお笑い芸人の小海家の浩一さんと、学生時代に京浜急行を通学で毎日使っていた女優の廣川鈴子さんが出席していた。

「ドレミファインバータが今日でなくなってしまうなんて、悲しいです。学生時代、毎日毎日聞いていた音で、私の青春の一部と言っても過言ではないくらい欠かせないものでしたから。」と廣川鈴子が言う。

「ドレミファインバータがなくなっても、京浜急行はこれからもあり続けてほしいですね。」と小海家の浩一さんも言った。

するとその時、ホームにいた乗客の一人が廣川鈴子を人質に取り、片手にナイフ、片手に拡声器をもって話し出した。

「俺の名は林和則だ!!今から俺が言う事を聞け!今このホームに停車している京急唯一のドレミファインバータを更新せずにこのまま動態保存しろ!さもなければこいつがどうなっても良いのか!」

「やめろ!落ち着け!」現場の小野寺巡査が言う。

「サツか。行動が早いな」と犯人。さらに犯人は拡声器を使って次のように話した。

「いいか、京浜急行はドレミファインバータを破滅に追い込む極悪企業だ!俺は予言する、京急の株は暴落する、大暴落する、ドレミファインバータを残さなければ、京急は倒産するだろう!」

そういうと彼はしまってあったナイフの刃を廣川鈴子に突き付ようとした。その瞬間、待ち構えていた警察官に確保され、廣川鈴子は無事解放された。

警察官に囲まれた連れていかれる時も、林は叫んでいた!

「京浜急行め、覚えていろ!お前の会社は後日後悔するだろう!まだまだ事件は始まったばかりだ!」

その後、品川警察署で取り調べが始まった。

「なぜ事件を起こした!」と北山警部。

「極悪企業に天誅を食らわせるためさ。」と林。

「最近京浜急行沿線で妙な事件が起きているんだが、お前はそれに関与しているか?

「いや、知らねえ。」林はそういうとその後は黙秘を貫いた。

一方のラストラン列車は15分遅れで品川を発車した。そして、鮫洲駅を通過した時、車内にいた一人の男性が泡を吹いて倒れた。近くで警備をしていた警察官によって救急車が呼ばれ、平和島駅に臨時停車した。しかし、駆け付けた救急隊により、男性はその場で死亡が確認された。

「これで二人目か。これ以上事件が大きくならないと良いが。」乗り合わせていた堀内警部がぼやいた。

その後到着した鑑識により、被害者の名前は坂上隼人、50代の京急職員である事が判明した。そして坂上の死因は青酸中毒、持っていたペットボトルの中から青酸カリが検出されたため、それが原因であることも併せて分かった。

その後、ラストラン列車は更に30分遅れて平和島駅を発車した。そしてその後は何も事件は起きることがなく列車は順調に走っていた。その後、列車は目的地の久里浜工場に近づいた。するとその時、列車は非常聖堂で停止した。

「急停車大変失礼いたしました。只今、原因を究明中ですが、運転士と連絡が取れません。」と車掌が放送した。

その後、運転席の方が騒がしかった。

「これ死んでんじゃね?」と乗客の一人

「これぞ正しくデッドマン。」とまた違う乗客が言った。

堀内警部が運転席に駆けつけると運転士が運転台に突っ伏して倒れていた。その後、駆け付けた救急隊により死亡が確認された。被害者の名前は佐竹幸三、運転士歴20年のベテランだった。運転席の脇に段ボール箱があり、中から青酸カリ入りの液体と発熱剤が検出されたため、二つが化学反応し発生した青酸ガスによる青酸中毒死である事も判明した。その後、代わりの運転士がやってきて運転を引き継ぎ、1時間遅れで久里浜工場に着いた。その後は撮影会や鑑賞会などが開かれ、解散となった。



第五章 犯人の真の目的

その後、すべての事件が繋がっていると判断され、蒲田警察署と久里浜警察署と大石の身柄がある川崎警察署に捜査本部が設置された。そしてその3つの捜査本部を堀内警部が指揮することになった。蒲田警察署の捜査員たちは坂上隼人毒殺事件発生前後の車内の防犯カメラ映像を調べることにした。すると、坂上の隣に座っていた客が、警備をしていた警察官のスキを突き、坂上が持っていたペットボトル飲料をおそらく毒を入れてあるの同じ物にすり替える様子が映っていた。さらに、品川駅の防犯カメラには、林和則が廣川鈴子を人質にとっている間に、乗務員室の扉の鍵をピッキングして室内に侵入する人が映っていた。さらに、運転室内の防犯カメラを調べた結果、段ボールを置く男性が映っており、3つの映像を顔認証にかけた結果同じ人物である事も判明した。その後、防犯カメラの映像の顔のデータを前歴者と照会したが、前歴者データに彼の顔データは存在しなかった。そこで、久里浜工場で解散後、複数の防犯カメラの映像を繋いで彼の足取りを追った結果、梅屋敷にあるマンションに住んでいることが分かった。そして彼が帰ってきたところを坂上殺害と段ボールを置いた容疑で逮捕した。名前は小野伸二、品川区内の建設会社の勤める建設作業員だ。

「なぜ坂上を殺した?」と蜂谷警部。

「あいつはドレミファインバータの更新に協力的だったからだ。」と小野。

「お前と同じような理由で京急職員を殺したヤツがいる。お前はその仲間か?」と蜂谷警部。

「知らねぇ。」と小野。

「お前らが協力しているのはわかっているんだよ!この事件の主犯は誰だ!」と蜂谷警部。

「知らねぇ。」と小野。

「佐竹幸三も青酸中毒だった。お前が殺したんだろ!」と蜂谷警部。

「知らねぇ。」と小野。

「あの段ボールには発熱剤と青酸カリが時限式で化学反応するようになっていた!お前がおいてお前がボタンを押したんだろ!」と蜂谷警部。

「知らねえ!」と小野。

「青酸カリと発熱剤はどこで手に入れた?」と蜂谷警部。

「ネットだよ。俺の家のパソコンかスマホの検索履歴を調べれば出る。」と小野

その後、検索履歴を調べたが、彼が青酸カリを購入した形跡はなかった。

「おかしいなぁ。君の言ったとおりに調べてみたんだよ。でも、青酸カリと発熱剤の購入履歴はなかったよ。」と蜂谷警部。

「知らねえ。」と小野

「もうウソをつくのはここまでにしないか?」と蜂谷警部。

「ホームセンターだよ。ホームセンターで購入したんだ。」と小野

「そんな訳ない。購入許可書は?」と蜂谷警部。

すると小野はため息をついた。

「警察って全部調べるんだね。もういいよ。すべて話すさ。」と小野

「あの段ボールを置いたのは俺だが、中に入っている装置のボタンを押したのは主犯の村松さんだ。」と小野。

「村松が主犯なのか?それって本当か!!」取り調べを別の部屋で見ていた堀内警部が取調室に駆け込んできた。

「そうだ。」と小野

「ありがとう。これで取り調べは終了だ。」と蜂谷警部。

その後、林と菅谷と大石も観念したのかすべて吐き出した。3人とも村松のことについて話し、主犯が村松であることは確定になった。


第六章 主犯の供述

次の日、村松の逮捕に向かうことにした、逮捕には堀内警部も同行した。

主犯の家につき、蜂谷がインターホンを鳴らした。

「蒲田警察署の蜂谷です。」

すると主犯の男が出てきた。

「何ですか?」と村松。

「村松智也!お前を大石卓也と菅谷忠次郎と林和則そして小野伸二に殺害と脅迫メッセージ、人質騒動の指示をした容疑で逮捕する!」と蜂谷警部。

「お前高校時代はそんな奴じゃなかっただろ!!」と堀内警部。

「もはやこれまでか。」村松は手錠をかけられるときにそう言い放った。

その後、合同捜査の捜査本部が設置されている蒲田警察署に身柄が拘束された。

「犯行の動機は?」と堀内警部。

「ドレミファインバータが無くなってしまうのを止めるためさ。」と村松。

「本当にそれだけか?」と堀内警部。

「そうだ。」と村松。

「事件に使った青酸カリは家の近くのメッキ加工工場から盗み出した。京急ミュージアムの段ボールの発火ボタン、ラストラン列車の運転席の段ボールの発熱剤投下ボタンはどちらも俺が押した。大石たちに犯行を指示するとき、警察にバレないようにそれぞれと会って指示をした。誰かが取り調べに耐えられず主犯んが誰か吐き俺が捕まるまでは時間の問題だと思っていた。捕まっても良いようにすべて準備は済ませてきた。」と村松。

「そうか。供述ありがとう。」と堀内警部。

その後、それぞれの容疑者の裁判が行われ、京急ミュージアムに段ボールを置いた大石は懲役3ヶ月、蒲田駅のトイレで赤羽を殺害した菅谷は懲役5年、品川駅で女優の廣川を人質に取った林は懲役1年半、ラストラン列車の運転士の佐竹を殺害した小野は懲役6年、そして、一連の事件の指示をした主犯の村松は懲役12年の判決がそれぞれ言い渡された。

その数日後、城東警察署の屋上で堀内警部と江田警部はタバコを吸っていた。

「自分の好きなものが無くなってしまうだけでここまで行動できるって人間てある意味凄いですね。」と堀内警部。

「ああ。それが人間の凄いところで怖い所でもある。」と江田警部。

「事件も無事に解決したことだし、後日オンライン飲み会でもしますか。」と堀内警部が言う。

「そうだな。捜査にかかわった全員を誘って事件解決のオンライン祝賀会を開こう。」と江田警部。

そしてその週の日曜日、事件解決を祝って捜査にかかわった警部たちでオンライン飲み会が開かれた。

「みんな集まった?それでは事件解決を祝って!乾杯!」と堀内警部。

「乾杯!」と全員がコップを画面に向けた。

その後オンライン祝賀会は盛り上がり、あっという間に時は過ぎた。

「もうこんな時間か。これにてオンライン飲み会は終了!」と堀内警部。

「そうですね。また明日署でお会いしましょう。」と江田警部。

そしてその次の日

「堀内警部、大島一丁目の団地で高齢の男性の遺体が見つかりました。死後数日経過しています。」と大島一丁目交番の大原巡査から電話があった。

「孤独死か?それとも事件か?とりあえず臨場する。」と堀内警部。

「大島一丁目団地で高齢の男性の遺体発見!現場に行くぞ!」と堀内警部。

その後、堀内警部は後輩の大西警部とともに現場に出動していった。



最後までお読みいただきありがとうございます。この作品が面白いと思ったら高評価とコメント、出来ればフォローもお願いいたします。次回もまた違う鉄道会社でお会いしましょう。

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