コーヒーとミルクの割合

@mohoumono

第1話 コーヒーとミルクの割合


私は、寝ぼけた頭で

いつものようにコーヒーを飲むために

コーヒーメーカーを起動する。


コポコポと心地いい音が聞こえ、

目がだんだんと冴えてくる。


ピーとコーヒーメーカーがなる頃には

私の眠気は無くなっていた。


そして、火傷をしないように

慎重にコーヒーを入れ、

コーヒーフレッシュを入れる。


別に入れなくとも良いが

見た目的に美味しそうに

なるので入れている。


そして、今日も喧しい

鳥の鳴き声が聞こえる。

鳥の鳴き声は、美しいと言われるが

私はそうは思わない。

と、いうのも私は、

鳥の言っていることが分かってしまうのだ。


詳しくいうと、鳥の鳴き声が何故か

私の耳に入る前に

私が喋る言語に翻訳され

いつからかは忘れたが、

私はその意味が分かってしまうように

なった。

つまり、私にとって鳥の鳴き声は、

単なる騒音でしかないということだ。


「おい、コーヒーとミルクの割合は、

 1:1だって昨日言ったよなぁ、

 てかコーヒーフレッシュは、

 ミルクじゃねぇよなぁ。」

とか、

「まぁまぁ、たかがコーヒーですよ。

 そんな怒って

 あなたって不幸な人ですね。」

とか

「いいえ、1:1ではなく

 コーヒーが5ミルクが1でしょう

 それが黄金比というものです。」

とか

「何言ってるんすか?

 馬鹿なんですか?

 ミルクを入れないというのが

 鉄則ですよね

 そもそも、コーヒーメーカーでコーヒーを

 飲むってコーヒーに対する冒涜ですよね

 コーヒーの豆から挽いて

 そこから香りを楽しみながら

 ゆっくりとコーヒーを淹れるのが

 通なんですよ。」

とか、他にも様々だが

毎日のように聞こえるのはこれくらいだ


はぁ、せっかくの朝の楽しみが

こんな奴らのせいで台無しになってしまう


私は、ヘッドホンを手に取り、

耳に装着する。


やっと聞こえなくなった。

あいつらは、

朝のこのコーヒータイムにしか現れない

なんでだろうか?

そもそも聞いてもいないことを

なんで喧嘩腰で話してくるのだろうか

そんな疑問は、コーヒーと共に飲み干した。


私は、山奥で住んで、

人と関わらない生活をしている。

もし、あの鳥たちがコーヒーだけでなく、

自分の価値観などにも

そして、朝以外にも

口を出してくるのであれば

自分を失ってしまうだろうな。


僕は、

飛び去っていく鳥たちを見てそう思った。

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