第5話 お料理でハプニングを期待
学校の帰り道、今日の晩御飯は何か作ろうとヒナが言い出したので二人で料理をする事にした。
寮に食堂があるから別に料理を作る必要もないんだけど、ヒナがやる気出してるから付き合う事にする。
やるぞーと意気込んでいるヒナは見ていて可愛いからそれだけでやる意味がある。
部屋にはキッチンはない、学生だけで火を使うのは危ないからだ。
寮の食堂にあるキッチンは頼めば使う事が出来る。
さっそく帰り道に寄った安いスーパーの袋を机に乗せて食材を取り出す。
作るのはホットケーキ。
晩御飯にホットケーキ、私はあまりだけどヒナが食べたいって言ってるからそれでいい。
それにホットケーキは簡単に出来るから失敗しないだろうしね。
「さ、やるよー」
「ヒナが料理出来るとは知らなかったよ」
「うーん、得意ではないんだけどね」
「そうなの?」
「いつもお世話になっているヨーコに作ってあげたくなったのだよ」
「ヒナ、ありがとう。すごく嬉しい」
「ニシシ」と言って少し顔を赤らめながら笑う。
ホットケーキは無事に作り終える事が出来た。
もっとハプニングが起きる事を期待していたけど、焼き加減さえ気をつければ何も失敗する事なんてない。
キッチンを手早く片付けて、部屋に持って行く。
用意していたハチミツ、バター、クリーム、フルーツなどの甘々セットを並べる。
お互い好きなやつをかけている中ヒナがクリームが出ないと騒いでいる。
「ヨーコー、これ壊れてるよー」
「壊れてないよ、先のやつを取らないと」
ヒナは聞いておらず、「ふんー」と力を込めている。
可愛いな、と思っているのも束の間で爆発しそうだなと思った時。
ボンッ!と言ってクリームが少し飛び散った。
まさかここでハプニングか起きるとはクリームがいい感じにヒナの顔についてちょっとエッチな感じになっている。
こんな事現実でも起こるんだね。
「美味しい」と言ってヒナは嬉しそうにしている。
ヒナはいつも楽しそうで一緒にいて飽きないし私まで楽しくなってくる。
「あはは、ヒナまだ指とかについてるよ」
「はい、あーん」と言ってヒナはクリームがついていた、手の甲をこちらに向けてきた。
え?
「どうしたの?」
ヒナ、こんなのダメだよ。
こんなの自然にやってしまうヒナはとても可愛いし男の子相手なら絶対好きになってしまうんじゃないかと思う。
いや、流石に男の子相手にこんな事しないよね?
私だからだよね?
ドキドキしながらヒナの手の甲についたクリームを舐める。
「美味しい?」
「...うん」
「良かった」と言って嬉しそうに笑うヒナ。
はあ、好き。
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