ウサギ部 

違いが判るウサギ君1 パイオニアの苦悩

こんにちは。

ボクは見た目、超ラブリィ、性格は超メンドクサイ、違いが判るウサギ君です。

ウサギのパイオニアである僕の苦労を、聞いてください。


僕のミッションは、飼い主さんをウサギ飼いのスペシャリストにする事です。


ボクの飼い主さんは、今でも十分にウサギ飼育の上級者さんです。

でも!!まだ・・・まだ・・・パーフェクトでは無いのです!

隣にいる、普通のうさ吉は、毎日幸せな顔をしています。

当然です。十分に手入れの行き届いた飼育環境なのですから。

これと言って、不満は無いのです。


しかし!違いの判るウサギのボクには、許せない事があるのです。

たとえば、ケージの四隅の5ミリの拭き残しが許せないとか、

綺麗に敷かれたワラの微妙な厚さ、固さが思ったのと違うとか、

汚れたオモチャは許せないとか・・・。

ええ、ボクは、違いの判るウサギなんです。

超!潔癖症で、拘りの強いウサギなのです。


今のケージは、100羽いれば95羽は満足する、綺麗なケージなんです。

けれども、ボクの要求が通れば、残りの5羽も満足する、

ウサギにとって<パァアアーフェクトっ!!!>なケージになるのです。

それを、飼い主さんに伝えたい。


ウサギが<ケージの隅の5ミリの拭き残しが許せない>と伝えたい。



どうやって???



どうしろと???



?・・・?・・・?・・・



伝える方法が判らない!

話せない!書けない!!伝えられない!!!

ボクは、パイオニアなのに!!

みんなの代表なのに!!

このままでは、ウサギの生活環境が改善されない!!


パイオニアなのに・・・パイオニアなのに・・・パイオニアなのに・・・!



どーすれば、いいんだぁーーーーーっ???!!!



荒れた。

ボクは、荒れました。

優しい飼い主さんを、噛もうとする位に、荒れました。

毎日、不機嫌!不機嫌!!不機嫌!!!

そうじゃない!その手入れじゃ気に入らない!!と、怒るしかできなかった。


そしたらね、優しい飼い主さんがね、病院に連れて行ってくれました。

ははは・・・当然、異常なしです。

それでも機嫌が悪いボクを見て、

アニマルコミュニケーションを頼んでくれました。


あ・・・僕の声が聞こえる人がいた…


ポツリ・・・ポツリ・・・と、荒れてる原因を話し出す。

お手入れが気に入らない事から、

ボクが、違いが判るウサギなんだと、ウサギのパイオニアなんだと、

飼い主さんをスペシャリストにする為に来た事まで、バラしてしまった。



ほーう。  

やっと言えた。伝えられたぁ。良かったー。ミッション完了~♪

ボクの飼い主さんが、アニマルコミュニケーションを頼んでくれる程に、

ウサギ愛に溢れる飼い主さんで、本当に良かった。

どうもありがとうございます♪


ボクは、改善点を伝えなきゃっていうプレッシャーから解放されました。

僕の背負ってた荷物は、僕の身体の2倍の大きさがあったんだ。

いくらパイオニアだからって、酷くない??

ホント、キツかったー重かったー。もう、お荷物ナーシ!!


飼い主さん。どうもありがとう。

これからのボクは、普通のラブリィなのほほんウサギに戻ります。

もう、イライラしません。

一杯抱っこして、一杯ヨシヨシして貰いたいです♪




ウサギは、超潔癖症だから、人が気づかない小さな事がとても気になるのです。

ウサギは、声に出して話せないのです。

人語が話せないだけで、頭脳明晰です。伝える方法がないだけです。

ウサギが訳もなくイライラしたら、アニマルコミュニケーションを頼んでください。

きっと、目の前のウサギには、伝えたい事がある筈です。

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