癲癇の豆柴君  ボクは幸せだから

生後7か月の豆柴君

飼い主さんのお宅に来て程なく、発作が出て癲癇と診断される。

購入した店から、生体交換を持ちかけられたが応じず。

来た当初、散歩に出ると同じ場所で発作が起きた為、

散歩は積極的には出ていない。

が、家中では元気に走り回っている。

家族構成 お父さん、お母さん、子供2人


お母さんからの質問

いつも同じ場所で発作が起きたのは、どうして?

お散歩は、あまり連れていけないけど、どう思っている?

お留守番は辛くない?

発作がおきてる時は、どんな感じかな?


身体は生後7か月のお子ちゃまの豆柴君、

中身は、レベル23=精神年齢23歳の大人の豆柴君が話してくれました。



お母さんへ

お母さん、病気でゴメンね。人に癲癇があるように、

犬にも癲癇があるって知って欲しかった。

ボクが病気である事、病気のボクのお世話をする事から、

子供達は、学ぶ事が一杯あると思う。

迷惑かけてゴメンね。


お散歩で同じ場所で発作が起きたのは、そこが緊張感MAXになる所だったから。

ボクの発作は、緊張感が引き金で起こる。

お散歩は初めての場所だから、怖い物が一杯で緊張する。

お薬を飲んだり、散歩に慣れる事で緊張感が薄くなって、

倒れる場所が伸びただけ。

だからボクは、散歩に行かなくていい。散歩は緊張する事だから。

家の中を、ビュンビュン走ってるだけで楽しい。


これから先、子供が大きくなるにつれ、お出かけが増えると思う。

その時は、ボクはお留守番でいい。お留守番がいい。

家に置いてて可哀想とか、罪悪感を持たないで。

一緒に連れていけなくてゴメンとか、思わないで。

知らない場所は、怖い所、緊張する所、発作が起きる所だから。


普通の犬は「お家警備隊」をする。外の気配を探ってる。

だけどボクは、気配を探ると緊張するから、警備隊は出来ない。

外が怖くないように、ケージの中に入ってる。

ケージの中は安心できる場所で大好きなんだ。

だから、お留守番の時、

ケージの中に入れっぱなしで可哀想と、思わなくていい。


お母さん達が家にいない時は、ケージの中にいたい。安心する。

みんなが家にいる時に、ケージから出られればいい。

ボクは、何もかも普通の犬と違う。真逆なんだよ。

だから、散歩に行けない事もケージの中にいる事も、気にしなくていい。

発作がおきない為に、緊張しない為に、ボクが望んでいる事だから。


発作が起きた時は、頭の中は真っ暗で、バチバチっと電撃が走ってる。

意識が遠くなって、このままボクは旅立つのか・・と思う。

そのうち、ボクの名前を呼ぶ声が聞こえてきて・・・

声を頼りに意識を向けていると、そのうちにやっと目が覚める。

「良かった。目が覚めた。生きてる」って思う。

お母さん、ボクの名前を呼んでくれて、ありがとう。戻ってこれたよ。


ボクは、癲癇の病気を持って、半々の気持ちで今世にきた。

発作が起きて病気が発覚した時、

「この家とも、みんなともお別れなんだ」と覚悟していた。

だけど、ボクはそのままこの家にいる。治療のお薬も飲ませて貰ってる。

お母さん、ありがとう!!

ボクは今、最高ぉおーーーにっ、幸せです!

今、ここにいられるだけで、ボクは幸せなんだ!

今、生きていられるだけで、幸せなんだ!!


だから



先に



言っておくね。




ボクは、お母さん達がいない時に、お留守番の時に旅立つつもり。

そうしたら、どうして置いていったんだろうと責めると思う。

だけど、これはボクが決めた事だから。

その時にお留守番させた事を、責めないで。

ボクが旅立った事に、罪悪感を持たないで。


ボクは今、最高に!幸せだから。


ボクが旅立つのは、明日かもしれない。3か月後かもしれない。

1年後かも数年後かもしれない。

いつボクが旅立っても、いつもボクは幸せだから。

幸せ一杯だから。

幸せな気持ちで、旅立つのだから。



今のボクは、とても幸せだから、1日でも長く生きるよう努力する。

緊張しない為に、散歩に行けないくらい、どうって事ない。

ケージの中ばかりでも、全然平気。


ボクは 幸せ だから 頑張る!


生きる 為に 頑張る!!

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