点のままで忘れ去っていませんか?

小説の紹介文に釘付けになりました。
その昔、1.44M(メガ)しか入らなかったFDが、今では128T(テラ)のSDカードに至っている。
それを読んで、あー……そうだった、そうだった。13センチほどの四角形の薄っぺらい黒いディスクを、大事に大事に扱っていたのを思い出しました。
それが、どんどん容量が多くなってきた記憶媒体に、どんどん、どんどん溜まったデーターを入れていく。
そのデーターが、点のままで線にも、それ以上にもならなかった結末が書かれています。
私自身、読了の後のこの何とも言えない、気持ちをどう言葉にすればいいのか……。色々な思いが点にはなっていますが、線にならない。そんな気持ちです。
この物語に出てくる、人物達も人生においてのターニングポイントが、点としてだけ存在して、線に出来なかったのだろうお話です。
視線と思考が、少しずつずれている。そのずれを何処かで直せれば良かったのに、直せなかった。
じゃあ、私は今までの大切なことを、線にできているのかな?点のままで放っているのかな?そんなことを考えました。
読む人によって、大きく感じることが違うお話だと思います。
12106文字の中で、あなただけが感じる、あなただけの感想を噛み締めてみてください。