part2 【雑談】今日もヒナタとお話しするよー
「はい、というわけで今回は爆4メンバーの1人であるヒナタさんと雑談配信やっていきたいと思いまーす!」
「よろしくお願いしまーす」
こうして僕とヒナタの配信がスタートした。
「そういえばクロトくん、昨日発表されたゲルテナの新情報みた?」
と開幕早々友人と全く同じ質問をヒナタにされて少し驚いた。
「普通に見逃した、どんな感じだったの?」
「新しいキャラクターが実装するんだけど見た目が忍者みたいですっごくかっこよかったんだよ!」
興奮気味に話すヒナタを見ただけで昨日の新情報がどれほど凄いものかが理解できる。
「いやー…新キャラのPV見たかったなぁ…」
「ふふふ、そんなポンコツでダメダメなクロトくんには慈悲深~い私から施しをあげましょう!」
そう言っていつも連絡に使っている通話アプリから新しく実装されるであろうキャラクターの写真が何枚も送られてきた。
ちょっと写真の量が多すぎな気もしたがそれだけ彼女もこのゲームが好きなんだと思い写真を1枚1枚確認した。
「忍者実装かぁ使ってみようかな」
と僕が昔から好きでやまない忍者のキャラクターを見ながら呟いた。
「クロトくん忍者好きだよね?だから絶対に気にいると思って私が写真をたくさん撮っといたのさ!写真代は実装されたら一緒にゲルテナやること!OK?」
「OK。じゃあアップデートの日時間作っておくわ。…ていうか僕が忍者が好きってよく知ってたな、そのことヒナタさんに教えてたっけ?」
遊ぶ約束をすると同時にふと疑問に思ったことを聞いてみた。
すぐに返答が来ると思っていたがヒナタは少し時間を開けて答えた。
「…い、いやーこの前君の所のリスナーさんが教えてくれたんだよ、クロトくんは忍者が好きだ―ってね」
「へーなるほどね」と思うのと同時に「配信でも喋ったか?」と思いどのリスナーに教えてもらったのかもう1度質問しようとすると。
「でもクロトくんがゲルテナの情報見逃すなんて珍しいね?明日は嵐かな?」
と冗談交じりに言われた。
確かに僕はゲルテナが大好きでいつもは僕がみんなに情報を伝える側だ。
なので彼女がそのことを疑問に思うのも当然のことだろう。
「本当は見たかったんだけど昨日はサクナさんとコラボ配信やってたから見逃しちゃったんだよねー」
と特に隠すようなことでもなかったので普通に答えた。
「…ふーん…そういえば二人で仲良くやってたね」
「しかもサクナさん配信が終わった後もゲームやろう!ゲームやろう!ってしつこくてさー結局寝る直前までゲームしたからもうヘロヘロなのなんのって大変だったわ」
と昨日あったことを話すと同時に昨日の地獄を思い出す。
それは昨日の夜中の出来事である。
サクナとのコラボ配信が終わり、時刻は23時を過ぎていた。
そろそろねむいし解散しようかと提案したところ
「えー…サクサクはまで眠くないからあと1戦やろう」
と子供みたいなことを言われ、まぁ1戦ぐらいならと思ったのが地獄の始まりだった。
毎回ゲームで負けるたびに
「あともう1戦!これでラストにするから!」
とあきらめが悪いのかなんなのか知らないがゲームをやめさせてくれない。
もし無理やり断って寝ようもんなら大声で泣きつかれてしまう為渋々付き合う
というのを2時間繰り返し、挙句の果てには
「サクサク飽きたから寝ます!クロトくんもお休み、あと学生はもう少し早く寝るものだぞ!」
と言い放ち一方的に通話を切られた。
その時にはサクナさんに怒りといった感情すら湧かないほど疲弊しており電源を抜かれたロボットのように眠りについた。
そのことを思い出し、今さらサクナさんへ怒りの感情が芽生えている。
(あいつマジでなんなんだろうな
突然あいつのパソコン爆発してくれないかな)
「なんか最近クロトくんってサクサクと仲いいよね…前の配信も一緒にゲームやってたし…なんか理由とかあるの?まぁそれを知ったからって別に私には関係ないんだけどね…」
と突拍子もなく理由を聞いてきた。
「仲いいっていうよりあっちが勝手に絡んでくるだけだから何とも言えない
まあしいて言うなら最近僕がハマってるゲームをやってるのがサクナさんだけだから一緒にやってる。それぐらいじゃないかな?」
と特に仲良くしている理由は無かったので一番最初に浮かんだそれっぽいことを言ってみた。
「…何円ぐらいするの?」
ぶっきらぼうな態度でヒナタが聞いてきた。
(なんで急に不機嫌になったんだ?さっきまでテンション高かったじゃん)
「確かパソコンで出来る無料ゲームだった気がする」
「へー無料なんだ…」
「...」
「...」
二人の間に妙な空気が流れる。
(なんだこの息苦しい空気?)
「...ヒナタもやってみる?」
沈黙に耐えきれなかったので聞いてみた。
「私にやって欲しいの?」
と何故かじらすように言われた。
(そこわざわざじらす必要ある?)
そう思いながらどっちにしろ今日の配信でそのゲームを紹介しようと思っていたので
「やって欲しい…です」
それを聞くや否や
「しょうがないなあ!クロトくんがそこまでやって欲しいっていうならやるしかないじゃん。まあ独りぼっちで寂しいそうだし爆4のメンバーのよしみでやってあげますかね」
とさっきゲルテナを話していたよりも明らかに高いテンションで言った。
いろいろと突っ込みたい気持ちもあったがここで突っ込むとまためんどくさい事になりそうなのでここはグッと我慢した。
そこからの配信はいつも通りののんびりとしたものだった。
一ついつもと違ったのは何故かヒナタが上機嫌だったことぐらいだろう。
「そろそろ時間だし配信終わりにしますか」
配信開始からそろそろ2時間が経過しようとしていたので配信を閉めようとする。
「えーもう時間、まだまだやろうよ」
「僕明日普通に学校あるからダメでーす」
「クロトくんのけち!昨日はサクサクと夜遅くまでゲームしたのに私はダメなんだ!クロトくんはサクサクのが大事なんだ!」
「せやで」
「ひっど!」
「君とはもう毎日遊んでるし今更やさしくする必要ないかなって」
「うわーん!クロトくんが浮気するよ!リスナーのみんなクロトくんが浮気してるよ!」
「噓を風潮するな!世論を味方につけるな!後々めんどくさくなる奴だから!TwitterでDMくる奴だから」
「半分本当だし良くない?」
「僕の知ってる半分じゃない
ヒナタさんに教えるけど99対1は半分じゃないからね?」
「ごめんごめんwクロトくんは反応が面白いからついからかっちゃうんだ
てへ!」
「はいはい、まぁ茶番はこのくらいにしてホントに終わりますか」
「了解です」
「じゃあこれで配信を終わろうと思います
ご視聴ありがとうございました良かったらチャンネル登録と高評価お願いします
それじゃあバイバイじゃあね」
そういいながら配信終了ボタンを押す。
「…配信切ったよー」
「配信お疲れー」
2人の間に配信が終わったという達成感と開放感が広がる。
僕がその余韻に浸っているとヒナタが
「この後話したいことあるんだけど時間ある?」
と申し訳なさそうに言った。
「ん、なんか緊急なはなし?」
「別にそういうわけじゃないんだけど…ちょっと言いたいことがあって…」
なんの話だろうと心当たりを探しつつ
「あーごめん。明日学校早いから用件だけ聞いて寝ようかな」
明日も学校があり早起きしなければならないのでそう伝える。
すると彼女は長い間黙った後に
「そっか…そうだよね、クロトくんは明日学校あるから早く寝ないとだよね、だったら話は今日じゃなくていいかな!そ、それに私洗濯物干したままだったの忘れてた!?それじゃあクロトくんおやすみ!」」
ブチ…と乱暴に通話が切れてしまった。
心の中で「おやすみ」と返しながらパソコンの電源を切る。
なんだったんだ今の…と思い、ヒナタの言いたいことが何なのかが気になった。
「まあ洗濯物に負けるくらいだしそんな大した用事じゃないだろ」
と思ったのでベッドでTwitterをいじり頃合いを見て眠りについた。
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