第12話 言霊使い

「みてみて美穂さん」

「何よ消しゴム?」

「こいつ動くんだぜ」

そういって消しゴムをケースからだす

ことことことと本当に動く

「邪魔すると反転するの」

といってさえぎると反転する

「かずみくんそれ人に言ってないね?」

「みほおばさんが最初だ」

ゴツン拳骨で叩く

「みほおねいさんでよろしく」

「なんだよ。もう餓鬼もいるくせに」

「うっそれはともかくご両親と文子ちゃん呼んで来て」

「そんなにおおごと?」

「レベル状況によるけどね。今のうちに話した方がいいと思う」


そして状況を説明する

この前のまねきねこの件

今回の消しゴムの件

どちらも式神使いか言霊使いかの能力が要る

文子が「まずこれを生き返らせて」と式神の紙を渡す

なんでもない障子紙でつくった式神だ

30分は粘っただろう

駄目みたいとかずみは放り出す足をじたばたさせる

ふっと目が言ったのか文子の携帯ストラップ

ピンクパンサーを手にして

「せめて動かすならこれくらいかわいくなきゃ」

カタタコトンジタバタジタバタ

「動いた!」

「その調子もう一度式神に向かって念じて」

「かわいい女の子を連想して」

「と言ってもなー」


30分ほどたつ

「だーっまだやるの」

「ううん。もういいよ答えはでたから」

「答え?」

文子が後をつぐ「君は言霊使いの能力を持っているよ」

「言霊使い?」

「物に命を吹き込む能力や」と言って母親がこづく

「しかしうちも旦那もそんな力あらへんで

過去の先祖はしりませんがな祖父母ももってなかったはずや」

「突然変異かもしれませんしかずみくんだからかもしれません」

「このまえの招き猫の件で覚醒したのでしょう」

「消しゴムであそんでいるうちはいいけど…」

「東京タワーとか動かしたりしないでね」

「そんなこともできるのか」

「試さないでよ」

「わかってるわかってる俺だって妖怪だ」

「小さな事件が大きな事件に発展することはよくわかってるって」

「3メートルの招き猫だけで充分や」

「修行にださせんとあきまへんな。うっかりでも使うと大変やさかい」

「今はまだ大丈夫でしょう。必要なら中学に切り替わる時に」

こうしてかずみは言霊使いの道に目覚めた

かずみはこの後自力で言霊使いとして這い上がっていく


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