そうだ!!


「ちょっと!千尋それずるすぎ!」

「ふふ、にぃ、最初に一位になるのは悪手。」


そう、ご飯を食べ終わった僕達は後片付けを終えた後、4人でパーティーゲームをしていた。


「ふふ、小春さん。このミニゲームは二人で協力して千尋達と戦うみたいね?」

「はい!足引っ張らないように頑張ります!」

「ん、わたしとにぃが組んじゃったら負けようがない。」

「はは、まぁ負けないよ?」


 そうして時間は過ぎていき、

「あ、そろそろ私帰らないと...」

「えっ?あ、もうこんな時間なんだ...」

 壁に掛けられている時計を見ると既に21時を回っていた。

「名残惜しいですけど...お母さんに電話してきます...」

 小春さん、すごくまだここにいたい!みたいな顔してるよ...

すると、それを察した千尋が言う。

「小春。別にいつでも遊びに来れるよ。」

「千尋ちゃん...!ありがとう...!」

「そうよ。小春さんならいつでも歓迎よ。」

「お姉さんも...ありがとうございます!」

 一緒にゲームやっていろいろな話をしていくうちに小春さんも全然緊張しないようになってたし、楽しそうに話しているところも何回も見ることが出来た。

「うん、いつでも遊びに来てよ。」

「はい!」

 そういうと小春さんは玄関の方へと向かった。

「今日楽しかった。次はお泊りも楽しそう。」

 千尋、もう次のこと考えてるよ...

「お待たせしました!電話終わりました!」

「そっか。じゃあお迎えくるまでなんか適当にお話しよっか。」

「小春さん聞いてくれる?千尋ったらもう次に遊ぶ予定立ててたのよ?」

「ねぇねぇ...それ言わないで...」

小春は恥ずかしそうに言う。

「ふふ、嬉しいな。いつでも誘ってね?予定空けるから。」

「わかった、すぐ誘う。」

「学校での千尋の話も聞けたし、小春さんとも仲良くなれたし、色々あったけど、楽しかったよ。」

そうだよなぁ...なんか普通に過ごしてるけど僕女の子になってるんだよなぁ...

ちょっと慣れてきてる自分が恐ろしいよ...

「お兄さんも色々大変だと思いますけど、頑張ってくださいね?」

「うん、ありがとう...これからも小春さんはお兄さんって呼んでね...」

「あ、お迎えが来たみたいです。」

「そっか。玄関まで送るね?」

「ありがとうございます!」

玄関のドアを開けると映画やドラマで黒塗りの車が止まっていた。

この車...僕でも知ってるぐらいの高級車じゃん......

「ではお兄さん、今日はありがとうございました。」

「いやいや、こちらこそありがとう。」

「それではまた明日ですね。」

「うん。また学校でね。」

そういうと千尋さんはボディーガードらしき人に連れられて車に乗ると、こちらに手を振りながら、走り去っていった。

「ふぅ...今日は本当に色々あったなぁ...」

僕ほんとに女の子になって今日一日過ごしたんだと思うとびっくりする。

 そんなこと考えながら家の中に戻ると、

「おっふろおっふろ。」

千尋がお風呂に向かうところだった。

そう、お風呂。

 ふと、ここで僕は違和感を覚えた。

......あ

「お、」

「ん、にぃ戻ってきてた。...お?」


「お風呂だあああああ!!!!」

 そうだ!!お風呂!!なんで僕はそんな大事なことを忘れてんの!?!?



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