神代若葉①

これは私の弟がに変わった日のお話。




トン トン トン


ゆっくり、ゆっくりと弟が階段を降りてくる。


「今日は寝ぼけてないといいのだけど...」


そう、私の弟千尋は朝がとても弱い。


なにかぼーっとしているというか、

おそらく頭がしっかり回らないんだと思う。

酷い日はリビングと間違って洗面所へ向かうこともあるぐらい。


「おねぇちゃん、千尋、おはよう...」


今日はまだ大丈夫なのかな?

声を聞いてそう判断する。

あれ...?でもいつもより声が高いような...?

まぁいっか...




「朝ごはん出来たし千尋と千秋呼びにいきましょう。」



そうして私は妹と弟を呼びに行った。




そしてその時私は気づいた。

そう、私の弟の体に異変が起きていることに。

具体的にいえばであったはずの

弟千尋から男には有り得ないである特徴ともいえる胸があったのだ。

普段からダボっとした服を着ているから分かりにくいがあれは絶対にある。




え....?千尋に....?胸が?ある....??


そう混乱させられた。


でも、混乱したのは一瞬だけ。

私はこう思ったの。

超可愛い弟が妹になっただけでは?

性別が変わったぐらいで私の愛が揺らぐことはないし。

性別なんてあまり関係ない。

だって私は弟のことが弟としてだけでなく、

1人の異性として愛しているのだから。


そうと決まれば色々とやることが増えたわね。まずは千尋本人に性別が変わっていることを伝えるところからかしら?まだ寝惚けているのか気づいていないみたい。


まぁいいわ。

私がすべきことは千尋が安心して生活すること。

そのために出来ることをしっかりしていく、

それが私の役目。


学校への根回しも考えないと。

まぁ、今は先に朝ご飯を皆で食べましょう。

そんな事を思いながら私はこう言った。


「朝ごはんも出来たし皆で食べながらお話しましょう?」






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