第10話 2021/10/18 PM8:45から

A 故人をしのぶ。


B 今日は感傷が多いな、どうした?


A 俺は長いこと会えてなかったし、見舞いにすら行けなかったけども。


B 仕方なかろう、こっちに帰ってきていたことも知らされてはいなかったわけだから。


A しかしな、いや、いっても仕方がないか。


B そういう事もある。


A この時間になってしまったことは謝罪せねばならないのかもしれないが。


B 今日はいろいろあったんだ仕方なかろう。


A また買い物が増えてしまった。


B まあ今回は大目に見よう。


 予定外品は、万超えてないわけだから……。


A そういうものか?


B それも大切だが、現実につながっているネットに接続せんでもいいのか?


 ゲームかもしれんが、人のつながりだろう?


A そうだな二つも繋がりがある、明日にでも繋ごう。


 感傷はこれくらいにしておくか。


B その方がよかろう。


A で、まだ書けてないわけだが……。


 そして更新もかかって無いわけだが……。


B そこは追々おいおいしていくしかあるまい?


 無理にしてもダメなことは今までの会話から分っている。


A せんないな、まだ感傷が足を引いている。


B 今日はそういう日だからな、若くして亡くなった友に対してのそういう日だからな、ついぞコロナとそれ以外のせいで通夜と葬式にも出られなかったという悔やみがあるのも分かる。


 だが感傷で偲ぶのはよしておけ故人もそれを望むまい。


A かといって、あかるい話題もあまり無いわけだが。


B そういうもんではない、明るくするのだ。


A 今は彼の手掛けた作品たちも本棚にあるような状態だ。


 明るくなりようがないではないか?


B しかし三冊は常に手元に置いてあるのだろう?


A まあ確かに、彼の作品はちゃんと手元に、取れる位置にはおいてある。


 それは間違いない。


B 後は、海に行って献杯が出来ればよかったのだが……。


 それはかなわなかったわけだ……。


 海に走りに行くこともできないわけだが……。


A ま、できないことはいっても仕方がないではないか。


 来月の予定もこなしてしまったのは不味かったかもしれないが。


B そこは、来月どうやって心の焦りを抑えるかという問題だろう?


 二〇二〇年の十月二十日が通夜で葬儀が二十一日だったわけだ。


A その通りだ。


B まあ覚えているのはいいんでないかい?


A もう一年だ、でも一年なんだ。


 その時系列的に俺はどう進化したんだ?


B そういう悔やみ事もあるわけか……。


 時が止まったかのように成長できてなくて、病気が悪化しているということが気にかかるわけだ。


A そうだ。


B でもゲームに対する情熱はくすぶっているのだろう? 火鉢の中の木炭のように。


A そのとおりだ。


B 火は付いているではないか? けして消沈しているわけではあるまい?


A どこにも出さず積んでいるだけだがな。


B ならかさねてきたえればいいではないか?


 玉鋼たまはがねをつくるように。


A 簡単にそういうが難しいんだぞ?


B 難しいなんてことは百も承知だ。


A やるかやらないかって事だけか?


B そのとおりだ。


A だが今は実践の場が無い。


 主にコロナのせいだが。


B 機会を待てというしかないな。


 終息宣言が出るか、活動可能になるまで待て!


A 生殺しではないか!?


B そんなことはないぞ?


 機会を待つ間、鍛え重ねればいいそれだけの話だ!


A 手を抜かず力もほどよく入れながら、重ね鍛えろってか?


 今の精神状態では無理だ! それができるようなら会社にでも所属しているはずだ。


B ま、そりゃそうか。


 せんないことをいったな、すまなかった。


A だが足掻あがくのも悪くはない。



TS2021/10/18-PM9:50


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※この作品は作者の自作自演による葛藤を対話形式にした物語です。

 A:感情 B:理性 ですので地の文がありません。ご了承ください。

 TS:タイムスタンプの略です。この葛藤が終わった時間を掲載しています。


 故人を偲んでこの様な葛藤になっているのです。

 尚、思考時間は一時間五分ほどです。

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