ストーリー5~7

ストーリー5:相棒のカスタマイズ


登場人物

ラムル、バンズ、ピク、新品のジャン、ピコ



 シューロンの建物群、バンズの住む建物まで歩いて向かうラムル。


 ビブレス=ガルで購入したアーレント=ナッグについてバンズに相談する為にやって来たのだった。


 別画、バンズの住居の建物前に立つバンズ。歩いて来るラムルに気付き、手を振りながら歩き始める。横follow-pan。


 画はラムルとバンズの2ショット。


 バンズ「やぁラムルー。」

ラムル「急にごめーんバンズー。」

バンズ「大丈夫よ暇だから。どしたの?急に。」

ラムル「ビブレスで見つけてきた私のAnnの事なんだけど……。」


 少し遠慮がちのラムルを促すように、

バンズ「ここじゃ落ち着かないからアタイのドック行こ。」


 2人はバンズの住居の裏手へと歩く。


 ドックの画。以外とデカい。2人2カット程歩く画。


 メインルームに入る2人。

バンズ「さー入ってー。」

ラムル「うん……。」


 バンズのドック、住居の建物の裏手。見た目より広い。


 2人の後ろからの画、歩いていく。


 ラムル「相変わらず凄い部屋ね。モニターも増やした?」

バンズ「モニター増やしたけど、投影式もあちこちで起動出来るしもう十分。しかも工具から備品まで最新式なんだ。ホントはもっと広いドックが欲しいんだけどねー。」


 ゲーミングチェアっぽいシートが2人に近づく。側に来たシートが、2人が座れるよう背後に動く画。


 バンズ「座ってー。」

ラムル「ありがとう。」

バンズ「ピクー、飲み物2つお願い。」


 やってきたドラム缶位のアーレント=ナッグ、というか見た目ドラム缶かペール缶。


 ピク(Ann)「かしこまりましたバン。バンは濃いめ熱め。ラムル様のお好みは?」

ラムル「私は……。普通でいいわ。甘めで。」

ピク「かしこまりました。お待ちください。」


 バンとは、バンズのアーレント=ナッグがバンズを呼ぶ呼び名。


 こよなくAnnを慕っていて、気持ちは常に対等に接するバンズである。


 座っているシートからアーレント=ナッグ(ピク)までをキョトンと見守るラムル。


 ラムル「バン……。(小声で)」

バンズ「そ、アタイのAnnには皆、バンって呼ばせてる。」

ピク「お待たせしました。バン。」


 そういうと2人に飲み物を出す。(テーブル様の頭に乗せる画)


 そして脚(基台)が伸びちょうどいい高さになると待機モードに落ち着くピク。


 ここよりティータイムっぽく、

 ラムル「話ってのはさ、私のAnnをこの子みたいなAnnにカスタマイズして欲しくてさー。この間、ビブレスでこのピクと同じ位のボディサイズを見つけてね。」

バンズ「そっかー、だったらその子一緒に来れば良かったのに。」

ラムル「いやー、それが少し重くて……。バンズのOKもらってからと思って。」

バンズ「なぁんだ水臭いなあ。おし!じゃあフローターで取りに行こ。」


 バンズのフローター前から画面ディゾルプでラムルの住居の建物の屋上ポートへの着陸画面へ。


 積み込んだラムルのアーレント=ナッグの箱と2人。


 バンズ「なんかやけにごっついアーレント=ナッグ選んだねぇ。」

ラムル「あ、それは……その……。それも相談の一つで……その……。」(奥歯に物が挟まったものの言い方のラムル)

バンズ「やれやれ、ドックに戻ったらゆっくり聞こうじゃないの、ラムル。」


 場面転換、バンズのドックに戻る画。


 ピクに似た形状の真新しいアーレント=ナッグが作業台に乗せられている。が、ピクよりはやや大きい。


 バンズ「うーむ。こんなに硬い材料使ってるなんてね。それにAIは私達以上に進化しそうな位のボードが積んであるね。」


 制御盤のバンズと解析画面数カット。


 バンズ「で、ラムルはこの子をどうしたい訳?」

ラムル「うん、その……壊れにくいというか……衝撃に強いというか……。」

バンズ「ねぇねぇ。まさかのまさかだけどさー、この子を兵器にでも育てるつもり?」

ラムル「……う、うん。そのまさかを少し考えてて……。ううん、兵器なんて大袈裟な装備じゃなくて、自衛出来ればと。」

バンズ「なるほど、それでこのAnnを選択したのか。」


 バンズ、ラムルの前。


 バンズ「手を加えなくてもこのままで十分レーザー程度は跳ね返せる材料使ってる。この子にあとステルスを持たせたら、十分過ぎるAnnになるけどぉ?他に何か必要?」


 凄い疑いの眼差しのバンズに見つめられたラムル、

ラムル「ステルスはバンズの言う通り、持たせたいの。……他に自衛としての機能を少々……。」言いにくそうなラムル。


 やれやれの仕草のバンズ、

バンズ「ピコー。ピコ、ちょっとここに来てー。紹介したい人がいるからー。」


 奥から変わった形のAnnがやって来る。(ピコは人の背位の浮遊が出来る、バンズのAnnの内の1体。大きさはバンズより少し小さい。)


 バンズ「ラムルは初めてね。紹介するわ。ピコよ。」

ラムル、キョトン。

バンズ「ピコ、こちら親友のラムル。メモリーしといてね。よろしく頼むわ。……さ、いいわよ。ラムルに変形見せて。」

ピコ「かしこまりました。」


 変形するピコ。……手脚の有る人型に見事に変形する。

ピコ「ラムル様。今後ともよろしくお願いします。」

と、挨拶。手を差し伸べるピコ。


 仰天のラムル、唖然。

ラムルあっけに取られながら握手。


 バンズ「ピコ、ラムルの前では変形を許可するわ。それもちゃんとメモリーしておいて。」

ピコ「了解バン。メモリーします。」


 バンズ「どお?ラムル。この子は最近完成した私の自作よ。あなたのAnnもこうしたい訳ね?」


 ラムル目を輝かせ、「そ、そう。この子みたいなAnnが欲しくて。それで今日は相談に来たの。」

バンズは遮るように、「但し!……戦闘は出来ないわよ。この大きさでは無理。自衛はバッチリだけど。それに人型Ann はノアーナ法違反なの知ってるでしょ?。」


 ピクが2人の側にやって来て、飲み物を用意、待機モード(テーブルモード?)に。


 バンズ「それに、ピクみたいに飲み物は出せないわよ、いい?」

ラムル「う、うん。もちろんよ。側で片腕になってくれたらそれが私の理想だから。」

バンズ「他人に人型に変形したところを見られたりしたら大変よ。なんたって法違反なんだから。」

ラムル「大丈夫、問題無いわ。父にも悟られないようにする。……もうー全てバンズ様の腕に任せるからさー。お願いっ。」

バンズ「さ、様……。(肩をすくめる仕草)……この子、全て同じ材料で作り込むのにそれなりの時間もらわなきゃ。材料調達に時間かかる。あとね、この子を絶対に危ない目に合わせないって約束よ。」


 その後暫く無言のバンズ。やがて口を開く。


 バンズ「ラムル、この子達は道具じゃないんだよ。私達と同じなんだ。忘れないで。それが私達のAnnなんだ。」

ラムル「うん、約束する。」

バンズ「分かった。完成したら説明も有るし、そしたら取りに来てね。じゃ、あとは任せて、ラムル。」

ラムル「バンズ……ありがとう。」


 バンズの中には、Ann に対して熱い思いがある。人型に対しても色々と思うところがあるようだ。もちろん、ノアーナ法もその1つだが。


 ラムルは内心、ホッとしていた。人型の事をバンズが理解しているのだと確信したのだった。


 あたりはすっかり夜がきている画面、fade-out。



ストーリー6:女子3人のお出掛け


登場人物

ラムル、ポートル、バンズ、英雄リグール=ジュード(写真の様な止め画面のみ)、ピク、ピコ、ラムルが購入したAnn(ジャン)



※時節設定無し


 惑星ノアーナの衛星となってしまった双子星リターナの画、

手前からラムルの宇宙船カーラントが着陸する(ステルスを効かせている表現を盛り込んで…)


 宇宙船カーラントメインルーム内、ラムルと友人のポートル、バンズも居る。


 ラムル「リターナ到着―。」

 3人、シートから立ち上がる。


 ラムル「今日こそは何か発見出来るといいねーポートルー。ジャン、留守番頼むわね。」

ジャン「了解しました。」

バンズ「ジャン、良い操縦だったよ。」


 バンズによるジャンのカスタマイズが終わり、行動テストや操縦テストを含めた今回の旅行(?)である。


 ラムルはそのアーレント=ナッグにジャンと名付けた。もちろんラムルの親友達には早々に紹介を済ませたのだった。


 ポートル、バンズ「着いたー。」


 バンズ「…てか、何回ここに来てるのか……。」

ポートル「まぁまぁ、ノアーナ人調査隊のリターナ遺跡発掘って事でー。貴重な金属でも見つかるかもよー。」

ラムル「さて降りますかー。」

 

 3人、軽い宇宙服っぽい装備(ライダースーツっぽい)の画。

カーラントのハッチから出る。


 ポートル「昔は惑星ノアーナと同じ綺麗な星だったんでしょ?……。ここ来る度に思うんだよなぁ。」

バンズ「そーそー。でも今はこの装備でなきゃ上陸出来ない。」


 2人の前に出て重力制御シューズのスイッチを操作する仕草、

バンズ「重力だって変わってるし…。ほら、こんなの。」


 フワフワ歩くバンズ、見ているラムルとポートル微笑む。


 あちこち歩き回る画を数カット。


 やがて3人はリターナの廃墟の一角へ……。


 ポートル「ねぇねぇバンズ、見て見て!これって……⁉︎」

バンズ「はっ。これは!」

ラムル「この紋章!」

 紋章のカットin。


 ラムル、バンズは顔を見合わせ、

バンズ「うん。リグール=ジュードの紋章だよ。」

ポートル「やったー今回はついに大発見―!」

ラムル「うん、これは、かの英雄の紋章で間違いないわよ。」

バンズ「でもノアーナに持って帰っても何の得にもならないけどね……。」


 ポートルは何枚か画像を撮っている。


 彼女らが見つけた紋章、それはリターナに伝わる英雄、リグール=ジュードの紋章であった。


 ラムル「リグール=ジュードという人は、リターナの全てを背負って生きた人。平和を重んじ、自立移動惑星の脅威にも屈しなかった。彼が居たから今のノアーナが有る。平和と共生を私達に伝えてくださった方……。」

ポートル「忘れてはならない、ノアーナ人にとってこの紋章は、忘れてはいけないもの。」

ラムル「……今のノアーナ人、すっかり忘れてしまって、見ても分からないんじゃないだろうか……。」

バンズ「こんな廃墟に英雄の痕跡が残ってるなんて……。」


 紋章のup画面からディゾルプ

英雄リグール=ジュード当時の姿のオーバーラップ(特徴を出した画で多少動き付ける)。


 再び廃墟へ画面転換


 バンズ「どうする?持って帰る?」

ラムル「ううん、画像だけ持ってこ。」

ラムルの手もとUP、腕のモニターに紋章が見える。

ラムル「ジャン、画像転送するからメモリーお願い。」

ジャンoff「了解、ラムル様。」

ポートル「そーだね、持って帰ったところで、興味示す人、どれくらい居るか疑問だしね。」


 画面転換、ノアーナに帰る宇宙船カーラントの画面。


 ラムル「何事も起こらずに過ごしても、いずれはリターナみたいに滅んでいく……。その時ノアーナ人はどうするのかなぁ。」

バンズ「技術が今以上に進歩するから、その時代に生きる人が何とかするっしょー。」

ポートル「私だったら、その時は何処か違う惑星ほしに引越したいなー。」


ラムル、バンズ声を揃え、

「それだー!」


 バンズ「ポートル天才的意見! どこの惑星ほしだっていずれは滅ぶ。だったらその前に移動すればいいよね。アタイも以前考えた事有るよ。」

ラムル「でもその時は移動先でゼロから始めなきゃ。やらなきゃいけない事が沢山あるけど。でもノアーナの技術力なら無理ではなさそうね……。」

ポートル「まだまだノアーナ星自体の異変は無いし、私達には問題じゃないけどねー。」


 ノアーナ到着、そしてシューロン=ガルへ戻ってきた宇宙船カーラントの画。



ストーリー7:水の惑星のデータ


登場人物

ラムル、ポートル、ジャン



 冒頭シーンリピ画で。


 宇宙船カーラント内、ラムルの後ろ姿。


 見ているのは惑星探査中のモニター。


 検索(サーチ中の表示)にヒットした画。青い惑星が小さく映る。


 ラムル「拡大して。」

少し拡大の青い惑星。

ラムル「綺麗な惑星ほしね……。……もっと拡大。」


 ……ところが、ある程度の大きさまで画像が拡大するとストップしてしまった。


 画面中央に大きく閲覧不可の表示が出る。


 ラムルoff「妙ね、拡大出来ない……。それに惑星ナンバーも出ないなんて……。」


 冒頭シーンリピ終わり。


 再びラムルの後ろ姿、側にAnn(アーレント=ナッグ)が見える。


 ラムル「ジャン、座標をメモリーして。」

ジャン「了解、ラムル様。」

ラムル「続いてRJ管理データにアクセス。座標から惑星ナンバーを抽出。」

ジャン「了解。ナンバー抽出。」


 アクセス画面、惑星ナンバーまで出るが……、

 そのままアクセス画面のままの画で、

 ジャンoff「これ以上のデータ抽出不可能です。パスワードを要求しています。」

同じくラムルoff「こ、これはもしかして……。水の惑星ほし?……父は既に管理下に有るって話してた。この惑星ほしがそうなの?」

 画面fade-out。


 同じくカーラント内、数時間後。


 ラムルの側にポートルが居る。2人にお茶が出ているが、これはジャンが用意したものではない。ピクとは違いラムルが用意した。


 ラムル「どお?ロック掛かってるのは何故だと思う?」

ポートル「うーん。RJ計画管理部で何か都合の悪い理由でも有るのか……それとも、どうしても閲覧を制限する必要が有るのか……ね。」

ラムル「前にも父の話してた水の惑星ほしを一緒に探してもらったけど、もしかして、と思って。」

ポートル「確かに妙よね。ラムルのお父さんがデータにロックを掛けたとか?」

ラムル「私が興味を持ち過ぎたからってのがデータロックのきっかけなのかな……。でも父の言う水の惑星ほしかどうか分からない。もう少しデータ閲覧出来ればね。」

ポートル「でも、惑星ナンバーと座標が有れば、何とかなりそうな気がするよ。」

ラムル「さすがポートルね。で、どうするの?」

ポートル「直接座標の方向を見れば?どの程度拡大画像が見られるかは分からないけどね。」

ラムル「なんかすごい設備が必要そう……。」

ポートル「そうね。それなりに必要。バンズにも話してみようか。何か名案を思いつくかも。」

ラムル「そうだね。話してみよう。」


 ジャンなめ、ラムル振り向き、

ラムル「ジャン、バンズに繋いでくれる?」


 ゆっくりディゾルプ。

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