第37話 新たなる力[覚醒者編]

 オレは【覚醒者クエスト】パーフェクトクリア後の状況について、シュナから聞くことにした。



『マスター!まず最初に報告があります』

「何だ?」

『マスターのレベルが40から50になりました』

「レベル10も上がったのか?!」

『はい。あれだけ異常な難易度でしたので、当然と言えば当然ですよ』

「まあ、そうかもしれないけど……」



 一気に10も上がるなんて、本来あり得ないことで本当にすごいことなのだ。だが仮にもう一度【覚醒者クエスト】を受ける権利があると言われたとしても、する気にはなれないなと思った。



『次の報告に進みますが、よろしいですか?』

「あぁ……頼む」

『……マスターのメイン職業【暗殺者アサシン】とサブ職業【剣聖】が消滅しました』




 ……え?なんですとぅぅぅぅぅ?!




『……マスターのメイン職—————————

「じゃなくて!!何で消えちゃってんの?!」

『落ち着いてください、マスター。私の報告を最後まで聞いてください』


(……いやいや、落ち着いてって言われてもこれは落ち着けないでしょ!!)



 せっかく回避性能に優れた【暗殺者アサシン】と攻撃性能に長けた【剣聖】という、中々に最強な組み合わせだったのに、無くなったからといって "はいそうですか……" となるわけがなかった。



「で、オレは王にでもなれたのか?」



 投げやりになったオレは冗談半分で、あるかどうかも知らない "王" という言葉を行ってみた。

 


『はい、そうです。』

「……はい?」

『ですから、マスターは王になられました』



 ……皆さん聞きました?

暗殺者アサシン】のオレは "王" になったみたいです。



『しかもただの王ではありません。職業名は———【黒夜ノ覇王】です』

「こくよのはおう?初めて聞いたよそんな職業。夜になんか特徴でもあるのか?」



『【黒夜ノ覇王】の専用効果はこちらになります』




 ○【黒夜ノ覇王】[覚醒者職業]

 ☆18時〜6時の間に以下の特殊効果が発動する。


 ①数値の高い3つのステータスが6倍/その他のステータスが3倍となる。


 ②スキルの再使用時間が半分となる。


 ③獲得経験値が大幅にUP。


 ④モンスター討伐時にステータスポイントも自動で獲得が可能。更に獲得値は大幅UP。[(傲慢の心臓コア)を生贄にし獲得]



「なるほどな。夜の時間帯に極端にパワーアップするってことだな」

『そうですね。これでますます夜中にレベリングが捗りますね』

「夜中心の生活から抜け出せそうにないな……」



 職業は変わってしまったが、プレイスタイルは変わらなさそうなので安心した。



『次はステータスです。各種大幅に上昇しています』




【ステータス一覧】

【名前】イザナ

【レベル】50(150)

【メイン職業】【黒夜ノ覇王】

【サブ職業】 なし

【スキル一覧】

 ☆神速☆背面強襲☆神域☆影武者☆雷耐性☆雷帝ノ稲妻☆闇夜ノ鎌☆真・魔力操作☆覇王ノ覇気



 HP(体力):10500

 MP(魔力):25000

 ATK(物理攻撃力):12000

 MATK(魔法攻撃力):87500

 DEF(物理防御力):3800

 MDEF(魔法防御力):2420

 AGI(素早さ):15500

 CRI(クリティカル):50


【装備一覧】

 武器(手):夜ノ王剣-真月-(SS)

 防具(頭):夜ノ王耳飾(SS)

 防具(体):夜ノ王黒服(SS)

 防具(腕):夜ノ王腕輪(SS)

 防具(足):夜ノ王黒脚(SS)




【状態異常】

[真なる覚醒者]

[新たな力の可能性]


【称号】

[異世界人の救世主]





 (……おぉ。まじで強くなってる)



「ってか、職業変わったからスキルも結構変わってるんだな」

『はい。一部強化されているものもあります』



【新スキル紹介】


 ☆【雷耐性】

 →雷属性における完全耐性。


 ☆【雷帝ノ稲妻インドラ

 →その身と武器に雷を纏うことが可能。その攻撃は全てを灰塵と化す。[ATK(物理攻撃力)とAGI(素早さ)を10倍にする]


 ☆【闇夜ノ鎌アダマス

 →大きさを自在に操ることができ、万物に有効とされる魔力の鎌。ダメージ換算は魔法攻撃となる。


 ☆【真・魔力操作フルマナコントロール

 →MATK(魔法攻撃力)とATK(物理攻撃力)のステータスを相互に移行可能。


 ☆【覇王ノ覇気】

 →確率で完全に対象の戦意を喪失させることが可能(レベル差が大きければ大きいほど成功率は上がる)。また、戦意喪失に失敗した場合でも、全てのステータスを−50%にする効果を持つ。※効果適用時間10分




「……いや!【覇王ノ覇気】やばすぎでしょ!!」


 オレは思わずツッコんでしまった。


『"王" ですから、当然の能力ですよ』


 そう話すシュナの声は、少しだけ嬉しそうに聞こえた。


「そう言えばさ[魔神王の呪い]が無くなってるんだけど?」

『マスターは魔神王と同格の存在になったので、呪いは消えました』



(……魔神王も、一応"王"だから確かに同格なのか)



『ただ、魔神王はレベル100です。マスターは魔神王の半分のレベルしかないので、やはり早急に全力の限りを尽くしてレベルを上げてください』

「分かったよ……明日から頑張るからさ今日はとりあえず街に戻っても休ませてよ」

『今日は……仕方ないですね。許可しましょう』



(……いや、マスターはオレだよね?!)



 シュナは頼れる存在なのかもしれないが、なんだか母親みたいだと思いながら、ワープして街まで戻った。

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