主婦
本誠
開けると。
日が真上まで登りつめた。時計の短針は真上と1時の間を1時の方向に進んでいた。
窓際までくまなく掃除機で掃除🧹する私は、宮前 悦子。
箱型の郵便ポストがなにかきたことを知らせる。この時間はいつも800メートル離れたお隣さんからいつも回覧版が届くから、きっとそうだわ。
二重の玄関ドアを開けてポストの中身を確認すると、とても臭う。
"くさー"
縦長の冊子型の回覧版の横にギリギリ、ギュウギュウにむりやり捩じ込まれたトイレットペーパー1ロール。ポストがいくら鍵や解除キーがなくて、ポストの開け口が広いタイプだったとしても。誰もがやろうと思えばやれることかもしれないけれども、普通に常識さえあれば普通はやらないこと。おもわず、
"くさー"
と叫んでた。
余りの私のうるささには周りのくさも
くさはえた。
そう叫んだように。私は恥ずかしくなった。
回覧版は綺麗にしても時間が経ってもくさは取りきれない。臭いの雑草軍団だ。トイレットペーパーは捨てた。ゴム手袋を使って。臭いは、あれはなんだったのかいまではもうわからない。時計の鳩は3時を知らせた。
主婦 本誠 @Majw
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