第27話 普通に飯が食える幸せ

口や舌がしっかり開く。左右に動く。咀嚼できて、飲み込める。しっかり閉じる……麺がすすれて、汁が口の端から垂れない……なにもなければできる普通の動作がなんと幸せなことか……。


麻痺はだいぶ軽減して、ほぼ前と同じように動かせるようになってきた。


ただ、ここで油断してはいけない。


電極つけて電気を流す検査の数値はあまり良くはなかったらしいから、日々のマッサージと顔面筋トレは継続。


それでも、普通に食事ができるだけでも幸せを感じられるのは麻痺しないと解らない感覚。


麻痺して解ったことは、周囲は結局心配はしてくれるけど助けてはくれない。


ツラいときにツラいと言っても休めなかったし、診断書の件で病院も信用できなくなった。


最初から聞けとか、休むのは常識でしょとか、安静にしろと言ったよねとか言われても、こっちには伝わっていないから……自分から診断書を書くので休んでくださいとはいってこず、期間終了してから出せないと言われた件はいまだに納得できていない。


無理をして繁忙期乗り切ったから、有休使わせてほしいと言ったら療養休暇取れなかったから今休ませろと言っても話が違うし、嘘でも体調が悪いと言ってくれなきゃ休みはあげれない。


気遣いはないんだなとしみじみ。

このあとも失望させる発言が多数でもうこちらも最低限の話しかしたくない状況。


なにがあったかと言えば、精神系利用者が不穏になって暴れて女性職員や利用者に暴言暴力振って危険と判断して介入。車椅子に乗せてベルト固定するまでの間に殴る蹴る掴むだけじゃなく、首を絞められて両手首に擦り傷や青あざ、深い爪の刺し傷を作って、首にも刺し傷掻き傷作ってまでガードしたのに、自分の身は自分で守るのが基本と言われた。


こちら、ぶっ殺すとか死ねとか最低のクズやろうとか怒鳴られて、朝6時から仕事して、勤務終了したあとも病院付き添いで23時まで仕事したんだけど?


現在、右前腕部が痛むし、肘まで痛い。

痺れもあって、夜勤中に感覚が消えた。

病院行っても傷の処置だけされて、そこを負傷しても関係ないで終了。


今は市販の湿布貼って、サポーターつけて仕事してる。


言っても診断書がないとダメなんでしょ?

無理するなと言いつつ、休ませる気がない顔してるし。交代要員がいないとか大声で言うなよ。白々しい。


顔面麻痺が落ち着いてきたら、今度は右腕を痛めている現状。


医者も診てくれない。

誰も守ってくれない。

助けてくれない。


自分の身は自分で守る。

いろいろ知っておかないと損をする。

無理をしても損しかない。

権利は使えるときに使え。


そして、人は信用しない。

これにつきる。

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