第8話

ダンジョンのボスなんて、中ボスに比べれば楽な仕事だ…。


なにせ自分の前には中ボスがいるのだ。

そこで冒険者を食い止めれば自分が働く必要は無し。


もし中ボスがやられたとしても、その後にもザコモンスターたちが消耗した冒険者たちの行く手を阻む。


ダンジョンの入口の連絡部隊から冒険者襲来の連絡を受けたところで、ボスにとってはそれぐらいではまだまだ他モン事だ。

たいがい自分の所に来る前に退けてしまうだろう、と余裕の気分で居られる。


しかし中ボスはどうだ?

オレの前に居るのはだれだ…?


ザコモンスターのひよっこたちだ。


やつらはあっさりと冒険者にやられてしまうからこそザコモンスターなのだ、ボスと名のつくランクになれないのだ。


つまりダンジョン攻略に来た冒険者たちは、ボスの間はともかくとしても中ボスの間までは大概はたどり着けるのだ。


それは冒険者にとっても、我々モンスターがわにとっても周知の事実。

オレの前で冒険者と戦うザコモンスターたちも自分たちはやられて当たり前という意識を持っている。

自分たちはほどほどに、後は中ボスにまかせようと…。


上司であるボスモンスターからは『お前のところで食い止めろよ…』とプレッシャーをかけられ、部下であるザコモンスターたちからは『お願いしますバチュリアスさま~』と期待をかけられ。


上下からの板挟みでガチガチ状態なのがダンジョンの中ボスというものなのだ!!


ツラい…。

ツラすぎる……。



やはりダンジョンのモンスターで一番大変なのは絶対に中ボスなのだ…。


「よし!どうやら中ボスのにたどり着いたようだ!」


――さて、噂をすればなんとやらか。




どうやら今回の冒険者たちが、ザコモンスターを蹴散らして、ここ場所までたどり着いたようだ。

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