第6話

俺と真島さんが楽しげに会話をしているのを

藤島さんが、チラリと一瞥し

「フン...!」と馬鹿にした様に鼻で笑ってからこんなことを言ってのけた。


「おい、山吹!

俺らはもう、持ち帰る女の子がそれぞれ決まったからおまえな、

その売れ残りの女、好きにしていいぞ」


その後、すかさず、藤島さんに肩を抱かれてる

プロポーションのいい派手な美人女が相槌を打った。


「え、売れ残りなんてー、そんな言い方、藤島さん酷いですよー!」

「え、だってほんとのことじゃん!」

「wwww」

「でもぉー言われたら傷つきますよー?

だめですよっ」

「平気だって!言われなれてんじゃね?

なんか、顔色ひとつ変えないし。

あ、まぁ、あんま見えないけどな。

マスクのせいで!

ま、でも、陰キャ女、

微動だにしないし!平気っしょ??」


だ、大丈夫なのか?と

彼女を見たが、重ため前髪と眼鏡のせいで

表情は見てとれなかった。


「あ、そうそう。山吹あのな、

俺らが食べ残した料理、食っていいぞ」


「学生時代、満足に食べられなかったんだろ?

高級料理だぞ!勿体ないと思うよな?残さず食えば?」


「www」


いやな感じの笑い声を残して藤島さん達は俺らから背を向けた。


それから、また、声を大にして。


「何も飲まずにずっとマスクしてるとか、

マスクの下はどーなってんだろーね!?」


「あー、それは多分あれだろ。

コンプレックスを隠してんだよ!

きっと、俺らに見せられないよーな顔立ちなんだよ!」


「藤島さんてー、イケメンだけど、

性格あんまよくないですねー!」


藤島さんはな、

あんま、よくないってゆーか、

酷く悪いよ。


俺は心の中でそう言ってから

残された食べ物に視線を落とした。


残り物なんか...。別に食べたくないし。


もうお腹一杯だし。







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