8話「クラスメイトと罰」ざまぁ

皇太子殿下が学園で起きたことを国王陛下に告げ、国王陛下が捜査に乗り出した。その結果、王太子とザックス伯爵令嬢が私をはめようとした証拠が次々と出て来た。


盗難事件を起こし私をはめようと計画を企てたのは、クラスメイトの証言通りザックス伯爵令嬢でした。


王太子のハインツ様とザックス伯爵令嬢は愛し合っていて、ザックス伯爵令嬢が王太子と結婚するには、王太子の婚約者である私が邪魔だったようです。


王太子のハインツ様は廃嫡され、生涯北の塔に幽閉されることが決まりました。


北の塔は問題を起こした王族が入れられる場所。貴族の部屋と同じような豪華な部屋が与えられ、メイドが付き、三食ちゃんとした食事が出される。


国王陛下と王妃殿下はハインツ様が可愛いのか、厳しい罰を下しませんでした。


代わりに王太子をそそのかしたことで、ザックス伯爵令嬢が重い罰を受けました。


ミア様は伯爵家から勘当され、平民に落とされました。ミア様は鞭打ち十回の末一般牢に入れられましたが、牢屋の中で反抗的な態度を繰り返したため、国で一番辛いと評判の強制労働所に送られました。


ハインツ様とミア様の罪に加担したことを正直に話したクラスメイトの処分ですが、皇太子殿下の計らいで男子生徒は一年間の懲役、女子生徒は一年間修道院で生活することで許されました。その間、学園は休学扱いになるそうです。


担任教師はハインツ様の企みを知りながら止めなかったこと、理事長や国王陛下に報告を怠ったことを咎められ、実家から廃嫡、教員免許剥奪、鞭打ち十回の上、懲役十年の刑を言い渡されました。


最後まで罪を認めなかったクラスメイトたちは、退学処分になり、家から勘当され平民用の牢屋に入れられました。


刑期は三年と短いですが、貴族として生きてきた彼らが出所後、市井に出て生きていけるでしょうか? 私には蝶よ花よと育てられた彼らが、苦労する未来しか見えません。


国王陛下は私とハインツ様の婚約を正式に破棄し、謝罪して下さいました。


国王陛下に他の王子様(ハインツ様の弟)との婚約を勧められましたが、お断りしました。


国王陛下はハインツ様だけでなく、息子全員の教育に失敗しているので、ユーベル王国の王族とは関わりたくありません。


「この国の王族に希望はない」と、宰相職に就く父も嘆いておりました。


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