パイロットプラン


 とにかく戦争も何とか終わり、手があいたミリタリーとしては、惑星管理局の要望に応え、懸案だった未踏査宇宙の探索をするにしたのです。

 

 三軍統合司令部は、マイクロ・インフェニティ・カーゴだけを使って、まずはソロモン宇宙を開拓?していく計画を立てたのです。

 慢性的な人手不足を考慮して、シェルターステーションクラスで構成された『ナアマ』号のような船を一隻派遣して、その移動型統括人工知能に指揮権を与え宇宙を開拓させる。

 これなら資源も現地調達、じわじわと簡易鉄道を延ばして、高度な知的生命体に出会えば、移動型統括人工知能に対処させる。


 このような宇宙開拓パイロットプランの遂行責任者として、グレモリイさんが選ばれた訳です。

 なにかあれば、移動型統括人工知能に対処を任せますが、破綻が起こりそうになった場合、グレモリイさんが対処する手はずです。


 これが上手くいけば、膨大な数の未踏査宇宙を開拓することも可能というわけです。

 探査開拓が終われば、後はミリタリーの手を離れ、惑星管理局の出番、となるわけです。


 一応、リリスさんと三人の眷属は人工知能の扱いで、このソロモン宇宙の探査開拓に参加が許可されたわけです。


 グレモリイさんは会議を招集しました。

 グレモリイさん、ゴモリーさん、ガモリーさん、ゲモリーさん、この四人は実働は不可となっています。

 実施担当者は、ガエネロンさん、リリスさん、アルダト・リリーさん、イドル・リリーさん、キスキル=リラさん、の五名。


「さて、アヒノアム・ステーションも完成した、防衛戦力は先頃量産した30個防衛戦隊で十分、簡易鉄道も惑星リリスまでのショートワープポイントは確保済み、今のところ標準簡易ステーションを設置するほどの所はない」

「確保済みのショートワープポイントには、統合ミリタリーヤードが率いる防衛戦隊を配置している、この統合ミリタリーヤードは50名程度のホモサピエンス種族の簡素な居住施設もある」


 惑星リリスって、リリスさんが四万年も過ごした例の星のことですよ。


「つまり惑星リリスまでは簡易鉄道が敷設されていると考えられる、そこでだ、その先をどうするかということになる」

「まずこの銀河を探索すべきと考える、アヒノアム・ステーションの間近にある以上、ここからの脅威は排除すべきである」


 リリスさんが、

「賛成です、とにかくこの銀河を詳しく探査して、簡易鉄道をどうするか考えるべきでしょう」


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