この銀河はヨミに任せましょう


 結局大したこともなく、試験航海は終わりました。


「グレモリイさん、頑張ったわね♪なにかご褒美がいるわね♪」


 退院したヴィーナスさんに呼ばれたグレモリイさん、


「では、お言葉に甘えてお願いがあります、『ナアマ』号の統括人工知能、ガエネロン副長を私の副官に、ヨミの一員として有機体アンドロイドにしていただけませんか?」


「四人目の副官と云う訳ね、先任の三名、ゴモリーさん、ガモリーさん、ゲモリーさんは異論はないのね」

「はい、ガエネロンはそつがなくて、仲良くしているようです」


「そうですか、許可致しましょう、あとね、貴女の26の軍団員に、特別にチケットの増額も致しましょう」


 『公爵夫人の宝冠』号は修理を終わっていました。

 

 宇宙海防戦艦スキーズブラズニル改級6隻とミニ・インフェニティ・カーゴ一隻で構成された『公爵夫人の宝冠』号。

 でも、艦隊に『ニュウ・ナアマ』号が配属されたのです。

 この『ニュウ・ナアマ』号は星形二重正四面体タイプ、シェルターステーション8隻で構成されていますが、地下居住区がかなり改良されていました。

 8隻の内訳は、マイクロ・インフェニティ・カーゴオプションステーション1隻、小型建造ドッグオプションステーション1隻、広域探知オプションステーション2隻、搭載できる最強兵器のマグネター砲搭載ステーション4隻。


 この居住区、食堂や浴場が出来ていて、メイド型ロボットが少数ですが配属されているのです。

 その分、少しばかり収容人員が減りましたが、問題なしと判断されています。

 

 さらには防御バリアの出力もアップ、外郭装甲も少しばかり強度があがっているようです。

 この外部装甲は二層になっており、真ん中の中空部に改良された連結結合部があるのです。


 外部装甲の上部は回転?出来て、任意の場所に連結結合部の開口を持ってこれるようです。

 このため、いざとなったら、他の艦種とも結合できるようになったのです。

 ただシェルターステーションの回廊を移動するためには、シェルターステーション用の移動艦長室クラスが必要です。


 このためシェルターステーションには、移動艦長室を改良した、移動シャトルが搭載されることになっています。

 

 『公爵夫人の宝冠』号の中央、ミニ・インフェニティ・カーゴ取り囲むように、『ニュウ・ナアマ』号を構成する8隻が組み込めるのです。


「ヘルメス・ジュニアが2隻あるのは嬉しいな♪」

 グレモリイさん、嬉しそうに、四人の副官と話をしています。


「そうそう、ソロモン宇宙だが、とりあえずイザナミ様が預かることになった、三軍統合司令部としては、ここの防衛に力はさけないので、丸投げらしい」

「イザナミ様はリリス様にお任せするそうだ、われわれはそのあと押しを命じられている」


「序列6位以下の副官もこの度、バロネテス(女準男爵)に任命されると決まった」


「リリス様も当面はバロネテス(女準男爵)らしい、眷属の方はデイム(女ナイト)と決まった」

「まあ、しばらくすればバロネス(女男爵)とバロネテス(女準男爵)に昇格させるらしい」

「バアル・ゼブル様以下、低すぎるのではと意見具申があったようだが、リリス様が手柄を立てたらにしてほしいと、自ら申し出られたようだ」


「お手柄でバロネス(女男爵)ですか……」

「なんでも、あの方々は本来サキュバス、イザナミ様がおっしゃるには、ミコ様のご寵愛を得るのは難しくないらしい」


「そうですね、それは同意しますね、なんとも言えない色気が……」

 先任副官のゴモリーさんが同意しています。


「私、できればリリス様のお色気を見習いたいと思っています」

 ゲモリーさんです。


「私も同意見だ、幸い今回の事でリリス様たちとお近づきになれた、機会があれば親しくご教授を願うつもりだ、皆も一緒にどうだ?」

「ぜひ、お願いします!」


 グレモリイは美人なのだが、恋の手練手管という点ではいまいちと自ら自覚していました。

 このため、このチャンスはことのほか嬉しかったのです。


「これで寵妃も夢ではないのでは……」

 でもね、ラグナロク戦争の論功行賞で、ソロモン72は全員、側女になったのですけどね……


 グレモリイさん、少しばかり『貧乏くじ』を引いたようですね。


 FIN 

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