象 -ショウ-「鬼」

 鬼…いにしえより伝わる異形の怪物。

 日本このくにに於いて鬼は、北は北海道から南は本州を離れた沖縄県に至るまでにその姿を遺している。

 遺された物は何れも歴史的な価値がある文献や書簡、美術的にも文化的にも興味が絶えない絵画や造形物、など。

 それらは単なる非現実フィクションにしてはあまりにも膨大であまりにも完成された物が多い。

 果たしてそれらはどう誕生したのか?

 現代の様な連絡手段の確立されていない時代の人々が、なぜ、姿の存在を記録し、それを遺せたのか?

 名称に差異はあれど、鬼と言っていい存在の記録を人々が遺した事には隠された意味があると考えた方が自然である。

 そして、鬼という文字や言葉、あるいは鬼という存在が用いられている物と丑の刻参りには共通点がある。

 丑の刻はという事である。

 丑の刻が指し示す時刻は午前1時頃から午前3時頃、それを嘗て用いられていた方角を表す言葉に当て嵌めるとの位置を指し示す。

 つまり、丑の刻参りとは鬼門の刻参りなのである。


『鬼門参リ』研究家・鈴木 武

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