2話

 やっと終わった…!段ボールから必要な物を出し終え、部屋の掃除もひと段落ついたので恵美えみはソファーに腰かけた。

 残りは明日やろうかな。ソファーに座りながら伸びをしていると、「今日の晩御飯はどうする?」とキッチンでお茶を飲みながら俊が聞いてきた。

 「あー…どうしようか…考えてなかった」

 冷蔵庫を開け、お茶を戻し「買い物に行かないと何もないなぁ」と俊が言う。

 「買い物かぁ…今日は疲れちゃったから動きたくないなぁ」

 「私は魚がいいなぁ。夏だからさっぱりしたものが食べたい」と隣に座っている野乃花が言った。

 「じゃぁ出前?」

 「私はお寿司を希望!」

 「出前…あっ!」俊が何かを思い出したのかいきなり大声をだした。

 「びっくりした!突然大きな声出さないでよ!」

 「ごめんごめん。家の目の前…道路を挟んだ目の前に個人経営の魚屋あったろ?引っ越してきたし、これから近所づきあいになるし挨拶しに行こう。そして晩御飯の刺身を買ってこよう!」

 俊は「そうしよう」とうんうんと頷きながら外に出る準備をするためにリビングを出た。

 「刺身でもいい?」私が聞くと「私はお刺身でもいいよ」と野乃花は笑顔で答えた。

 「じゃぁ、お父さんとお母さんは向かいの魚屋に挨拶と刺身を買ってくるから留守番よろしくね」

 「分かった。気を付けてね」

 私は支度をするために自分の部屋がある二階に上がり、部屋に入った。

 向かいの店に行くだけだし、着替えないでこれでいいかな。

 「おーい!準備できたか?」一階から俊の声が聞こえる。恵美は手提げバッグに財布を入れ、姿見で確認してから部屋を出た。


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私はまだ犯人を知らない こぷり @kopuri

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