第二章 サイコパスの可能性
では、サイコパスはどうか。
彼らと自己愛性PDは、表面的に特徴が似ている部分があり、プロの精神科医でも意見が分かれたりする。しかし、その中身は正反対である。
自己愛性PDの場合は、不安感、恐怖感、そして孤独感に苛まれている。
それに対してサイコパスの方は、扁桃核の機能不全により、恐怖心がない。
そのため、倫理観や罪悪感も一切ない。殺人しても何も感じない。
病的な嘘つきで、安っぽい見栄を張り、金銭感覚が欠如しているため浪費癖があり、ブランドものや高級品に有り金を全てはたいてしまう。
『呼吸をするように嘘を吐き、湯水の如く金を使い、虫のように殺し、魚のように捌く』。
これがサイコパスである。
いじめの場合は、多額の金銭を脅し取って浪費する傾向がある。
こうして書くと、彼らがサイコパスの可能性は低いように思われる。
サイコパスの場合は、そもそも恐怖心がないので、反省する気も一切ない。
人を殺しても、自分が悪いとは思わない。彼らには、本当にわからないのである。
そのため、反省だの謝罪だのを迫ったところでほぼ無意味である。
加害者は文春の取材に対して、「何とも思わない」などとうそぶいている。この点がネット民の怒りを買っている。
しかし、まだ十代ということを差し引いても、ボキャブラリーが少な過ぎる。
言葉少なにお茶を濁すのは、守りに入っているからであろう。
彼らがもしサイコパスだとすると、親友を失くした悲劇のヒロインを気取って、あることないこと喋りまくり、誰かに罪を擦り付けるに違いない。ロス疑惑の故三浦和義のように。
尤も、江東区神隠し事件や、座間九人殺害事件のように陰キャのサイコパスもいるので、断言は出来ない。彼らはまだティーンなので、判断は難しいのかもしれない。
彼らの振る舞いを読んでいると、こちらの線も捨てきれないのである。
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