第12話どーして私はいつも…

やらかしてしまった…

どーして私はいつもこうやらかしてしまうのか!

侍女の紅姉にいつも言われているのに!

「それがどんな結果を招くか良く考えてから行動して下さい」

って。


再会してから全然かまってくれない、幼馴染みで、婚約者の第3王子にからんでしまった。

ほんの冗談で。

…ちょっとは本気も入ってたけど。

ほんのちょっとだけだったのよ。


エッチな事とは程遠い私たちだったから、こんな風になるなんて思わなかったんだから!


だいたい彼には好きなヒトができたらしいし、

婚約解消も時間の問題かもって思ってた位だし。


カラダで彼を繋ぎとめようとかは、絶対に、これっぽっちも、思ってなかったんだから!


以前に

「胸を大きくしたいならもんでもらうのがいい」

っていうのを聞いたことがあって。

前からちょっとコンプレックスだった事もあって

話の流れで第3王子に言ってみた。

もちろん本気じゃなくて。

だって今までだって、指一本触れたこともなかったし。(エッチな意味では)

もちろんキスだってしたことない。

ホントにただの仲の良い幼馴染み。


なのに、今、揉まれています。

…直に!



人形化事件のあと、

なし崩し的に、また以前の様に戻った私達。

幼馴染み兼婚約者。

彼の好きな人の話とか、婚約解消の話とかは特に出ないままに

彼との距離が、徐々にだけど昔に戻ってきてるのが嬉しくて、くすぐったくて。

ちょっとはしゃいでふざけすぎちゃったんだよー!

だって絶対断るって思ってたし!

お堅い第3王子ならさ。


確かに最初は断られた。

「…は?」

「だから、胸、大きくしたいからもんでくれる?」

彼は口をポカンと開けて、目が点になって。

みるみる顔どころか首も耳も赤くなっていく。

こんなに赤いの見たことないわ。

「なっ…、なにを言って…」

「うちの侍女の紅姉みたくナイスバディになりたいの。以前騎士さんたちが話してるの聞いたことあるんだけど、胸って揉むと大きくなるんだって。」

「…は?どこの所属の騎士だよ、そんなこと白薔薇に…」

とかなんとかぶつぶついいながら右手で顔を覆って…手まで赤くなってる。

そんな反応がおかしくて、じっと見ちゃう。

「…そんなこと、できるわけないだろー。」

「そういうと思った。それなら第2王子か第4王子に頼もうかな。」

って言ったら、突然

右手首を掴まれた。

「!!」

「絶対にダメだから」

聞いたことないような低い声。

彼の金色の目、目が怖いよ。底光りしてる。

まわりの空気まで重くなって…

「白薔薇、ダメだからね。」

と、念押ししてくる。

昔から知ってるけど、こんな顔見たことない。

「う、うん…。」

て、ひきつり笑顔で答えた私。

これが一週間前のこと。













  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

なんで?どうしてこうなった? @yoruneco

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ