第45話 感知の秘密

「へへ…こんなに楽しめそうなのは久しぶりだぜ?」


「ふー…」


タスクは呼吸を整え、武器を構える。


「…」


(シズ君がアンテナと司令塔を破壊すれば実質勝ち…だが、こいつを倒さないと撤退も出来ない…)


「暁君、頼みがある」


「?」


タスクは暁に文書で言いたいことを告げる。


「…了解」


暁は撤退を開始した。


「タイマンだな…タスク」


「…暁君を逃してくれるのかい?」


「俺は考えるのが嫌いなんでな、まずはお前を倒す」


「考えは同じってことか…っ!」


ブレードと短剣が鍔迫り合い火花を散らす。


「良い性能してるな!その機体!」


「そっちもな!」


互い一歩も引かず離れ、タスクは銃を構え発砲。


「危ねっ!」


それを紙一重で躱す。


「ちっ…感知されたか」


「おう、丸わかりだぜ」


「…」


(なぜシズ君の弾丸は感知されずアンテナを狙撃出来たのだろう…)


「隙きありだぜ!タスク!」


「しまっ!」


考え事をしていたタスクの懐へタガーが潜り込み短剣で一閃。


「くっ!」


胸の辺りを横に切られた。


「結構硬いな!」


「発動が間に合わなかったか!」


切られた痕からは血が流れていた。


「さて…もう一撃…」


すると最後のアンテナが爆散した。


「「!?」」





同時刻


「シズちゃん!」


「暁ちゃん!」


暁はシズの元へ駆けつけてきていた。


「暁ちゃんどうしたの?」


「シズちゃん、どうやってダガーの感知をすり抜けたの?」


「奴の能力は前方にしかないみたいなの」


「どうしてそれが?」


「防がれた後に場所を変えて狙撃したらアンテナに直撃したから」


「なるほど…」


「丁度いいわ、暁ちゃん手伝って!」




シズは場所を変え、対物ライフルを構える。


「暁ちゃん、この弾丸に能力を込めて」


「…なるほど!わかった!」


「…よし、狙撃開始!」


暁の能力を込められた弾丸は光速投射によって亜音速まで到達し、威力を増してアンテナを破壊した。


「よし、アンテナ完全破壊!」


「暁ちゃん、対物ライフルこれよろしくね」


「え?」


「司令塔を撃ち抜いて!私はタスクさんの掩護に行く!」


「了解!」




時間は戻り現在


「おいおい、マジかよアンテナ全部やられちまったか」


「タスクさん!」


「シズ君!」


「お前は…氷の女帝か」


「貴方の能力は既に攻略済みよ!」


「だろうな…だがなぁ?」


シズの背後へ回り込み短剣で刺そうとする。


「がら空きだぜ」


「あら、そうかしら?」


「!」


シズの背中から巨大な氷柱が突き出てきた。


しかしそれをダガーが紙一重で避ける。


「結構厄介だな…」


飛び退いた先でタスクが拳で攻撃する。


「あっぶねぇなぁ!」


それを受け止める。


「マジかよ!」


しかしその隙きをシズは見逃さない。


「クッソ!」


シズとタスクの猛攻にダガーは身動きが取れなかった。


「くっ…」


(畜生、こいつらを相手するのはまだ大丈夫だ、だが気がかりなのはあの逃げた奴だ!何処から来るのか分からないから気を散らされる!)


「お困りのようだな」


「「「!?」」」


上空から何かが落下してきた。


「誰だ!」


「タスクさん…結構厄介なことになりましたよ」


「まったく…遅いぜ」


「悪いな、少し手間取ってな」


「最高幹部一人追加か!」


「It's showtime」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る