『花金作品』 お題: 『記憶』

皆木 亮

『記憶』

「記憶違いだったかなぁ…?」

 数年ぶりにやる、昔に、トップランカーだった、

 某有名アニメのロボットを題材にした対戦ネットSRPG。



「え? でも?

 この機体と、この機体で設計できたはずなのに…?」

 と、昔取った杵柄きねづかが取れず、右往左往うおうさおうするオレ。



「仕方ないから、別の機体から、

 優秀だった記憶がある機体を開発するか…って?」

 何故か、昔の記憶では、

 この機体からの開発ルートだったはずの機体が作れない?



「え? オカシイなぁ?

 じゃあ、仕方ないから、他の優秀な……って?

 なんじゃこりゃ…!?」

 と、開発の通過点だったはずの機体から、

 見知らぬ機体たちが何機も開発ルートに出て来た!?



「ちょ……数年でこれは、仕様、代わり過ぎなんじゃないの!?

 それともアレですか? オレが、スゲェ記憶違いしてるって事?」

 と、さら右往左往うおうさおうするオレ…。



「でもなぁ…。昔の栄華をどこまでも引きずっても仕方ないし。

 ここはアレですな! 初心に戻って機体の開発設計を楽しむとしますか!」

 と、心機一転、仕様が変わりまくった開発設計ルートを、

 一から探索する事に……。



「って……そんなまだるっこしい事、また出来るかよ…!?

 あれですよ?

 昔のトップランカーだったオレが初心者丸出しで、

 機体の開発設計で、役にも立たない雑魚機ざこきを、

 手探りで無駄に作りまくるなんて、

 そんな、うっとおしい事、今更いまさらできるか!」

 と、いきどおるオレだったが…。



「ハッ!?  ここは、このゲームの攻略サイトとか見りゃ良いんだよ!

 今はネット時代なんだから、時代を有効活用すりゃ良いよな!」

 と、うんうんと頷きつつ、

 攻略サイトを探し当て、攻略データを…って…!?



「オレは…昔に栄華を誇った…、

 『改良型ロボティック対戦』…を再び始めた…、

 んじゃなかったのか…?


 『改良型[風]ロボティック対戦』……?」

 似たようなデータで作った、海賊版のゲームじゃねぇか、コレ…!?

 そりゃ、別物なワケだ…ッ!!

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『花金作品』 お題: 『記憶』 皆木 亮 @minakiryou

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