お届け物屋さんに祝福を!

おすすめターゲット:ティーンズ〜一般
ジャンル:ライトノベル、一般小説がお好きな方へ。特に不思議な世界を愛する人へ

大好きです。

千曲川くん、大曲さん。どこか曲がった名前の彼らはまったく「まっすぐ」でした。

死者への届け物をする、というお話です。
黄昏という生死の狭間で、死後に想いを残した誰かに、何ができるか?
そりゃあドラマが生まれないわけがない。

軽妙なセリフのやりとりで笑わされたかと思えば、深い愛情に涙する。

もっともっと評価が高くあって欲しい!
ちょっと拗ねた眼帯ちび(ごめん)男、なんも考えてない軽女、読み終わればまったく変わった印象を抱くはずです。

その運送会社にいる誰もがそこにいる理由があり、その行動を取る根拠があり、全ての登場人物が実在の人間のように動く。これは大変難しいことです。
それを書きこなす、極めて完成度の高い作品でした。
「死者へ何かを届ける」という設定はわりとよく見かけますが、独自の「黄昏」という生死の狭間の世界の設定が強い説得力を持っています。
醜いものを醜く、美しいものを美しく、不安と悲しみと優しさに揺れる人の心をそのまま伝えることがなんと難しいことか。
とても素晴らしい作品です。

作者さんの武器
目に浮かぶようなリアルな人間描写、世界設定、魅力的なキャラクターセンス、セリフの妙。
ただただ良いものを読ませていただき、ありがとうございました!!

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