第39話 王家の使者

 ――あれから数日後…………。


 王家との交渉の日が来た。


 父上の使用人から声が掛かる。


「ハルト様、王家の使者という方々がいらっしゃっていますが…………」


「ああ、すぐいく」


「ハルト様、なにやら様子がおかしいと思いますが…………」


「まあ秘密の話があるからおかしくもなるだろう」


「それはそうですが…………」


「とにかく行ってくる、父上やアイリーンにはそう伝えてくれ」


「かしこまりました」


 普段はいつもどちらかが居るのだが、父上は火急の呼び出しという事で現在王宮に出向中だ。


 アイリーンと母上は、婦人貴族のお茶会のお誘いに招かれていた。


「む、この馬車、なんかおかしい気がするのだが、気のせいか」


 馬車を見てたたずんでいると、馬車の行者らしき人が馬車のドアを開けて頭を下げてくる。


「ハルト辺境伯殿、王宮までお連れしますゆえ、こちらへどうぞ」


「ああ、分かった」


 あまり待たせるのも悪いと思い、馬車へ乗ることにした。


 ――そう、ハルトはこの事について、もう少し注意深く気を使っていれば、また違った未来が訪れていたかもしれない。





~おしらせ~

もしかしたら今週一度お休みに入るかもしれません。

その時は、空いてる時に多めに更新できればと思っております。

ご了承願いします。

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