第30話 デジャブ


 鑑定魔法に関しては、物、人物、ありとあらゆるものにかけることが出来る。


 ただ、レベルが低いのか些細な情報しか入らない。


 これも改善する必要があると思った。


「…………さま…………おに……ま…………」


 この銀の腕輪が神器だというのは確実にわかった。


 しかも、これを装備したままだと能力と神器が引き継がれるので今回の周回のほうが楽なぐらいだ。


「お兄様!!!」


「うぁ、びっくりした! アイリーン、急に脅かすなよ」


「何を仰ってますの、お兄様ったら。何度も声をかけても反応ないんですから」


「ああ、ごめん、ちょっと考え事をしていたんだ」


(いかん、いかん。またやってしまった)



「お兄様、先ほどセバスがいらして、お兄様の様子を聞かれましたわ。その様子でしたら今日はお休みのほうがよさそうですね」


「―へ? セバスきたのか?」


「やっぱり気づいていらっしゃらなかったんですね。本当にお疲れになってるかどうか、確かめにいらっしゃいましたわ」


(………またセバスが来たことが気が付かなかったとは。にしても、セバスめ、仮病か何かと勘違いしてないか?)


 ――腑に落ちないが今はそんなことを考えてる場合じゃないとおもうハルトであった。

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