第26話 三日

 前回と同じように、自室の壁に向かって壁を作るイメージで土魔法を使った。


 案の定、気を失っていた。



 王国歴1119年4月~



「…………ま、…………ハ…トさ…」



(…………ん、声が聞こえてきたけど、これはセバスの声かな?)


「ハルト様! しっかりしてください!」


「うぉ!」


 目の前にはセバスの顔面が迫っていた!



「セバス、顔が近いぞ」



「よかった、ハルト様が目覚められた!」


 気が付くとベットの上で寝ていた。


 確か椅子に座って使ったはずなのだが。


 セバスから衝撃的な言葉を発せられる。


「なかなか目覚められないから心配しましたぞ!」


「うん、どれぐらい眠っていた?」


「三日でございます」


「み、三日!?」


(そんなに眠っていたのか!!)


 ハルトは予想外の言葉で驚いていた。


 ――気を失ってから三日後。暦は翌月に変わっていた。



 それはそれで気になるが、鉄球はどうなったか聞いてみることにした。



「ところで、セバス。鉄球が落ちてなかったか?」


「はて、そのようなものは落ちてませんでしたが」



 ―――で、鉄球はどこに!?

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