第14話 考えすぎて目の前に出されたもの

領主としての勉強、ギフトである土魔法を成長させ、不作をなくすための領民の為にギフトを使い、努力をして領民の生活楽になったはずだ。


――それもわずか3年の間にだ!


 それが、なぜ軍隊に攻められる?


 貿易の行路や他の領土の事も調べる必要はあるな。



 そして思いっ立ったことがあった。


(…そういえば、鉄球の神器アーティファクトは今どうなってるんだろう?)



 ハルトはあの瞬間まで神器アーティファクトの存在を知らなかった。


「…………さま…………おに……ま…………」


 そもそもおかしいのが、父上や母上からは神器アーティファクトの所在について一切聞いたことが無かったのだ。


 これは何かある。


 そのあたりは深く考える必要があるな。


「お兄様!!!」


「うぁ、びっくりした! アイリーン、急に脅かすなよ」


「何を仰ってますの、お兄様ったら。何度も声をかけても反応ないんですから」


「ああ、ごめん、ちょっと考え事をしていたんだ」


(ああ、いかんいかん。でも幸いに考え込んでた時間はそんなに長くなかったようだな)


 目の前にハーブティと茶請けのお菓子が並んでいた。


 とりあえずハーブティを口を付けて一息入れる。


「お兄様、先ほどセバスがいらして、お兄様の様子を聞かれましたわ。その様子でしたら今日はお休みのほうがよさそうですね」


「―へ? セバスきたのか?」


「やっぱり気づいていらっしゃらなかったんですね。お疲れになってるようなので本日はゆっくり休むようにと、提案してきたのでわたくしが代わりに了承しておきました」


(………そんなに深く考え込んでいたのか、しかもセバスが来たことが気が付かなかったとは)

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