第4話 宣戦布告をした訳

セバスは、一枚の手紙らしき紙切れを渡す。


「えーと、なになに………開戦宣言書? …………え?」


 ――手紙の表を読むと、今日限りでエッグラース伯爵家滅亡のお知らせだった。





「スカイアロー公爵からの宣戦布告を受けました!」

「はぁ!?」


ハルトは思わず絶句した。



その手紙をめくってみる。



これはいわゆる、戦争はじめますんで、世露四苦! と言われているようなものだった。



スカイアロー公爵家は、イーストウッド王都から見て南方から南東にあるエッグラース家と同じく、勇者を先祖にもつ名門貴族だ。


最も南方にある港町を本拠地に置く為、全く接点が無い。



ハルトは王都に行ったことは無く、当主になってからはまだ他の領主との接点もない。



全く知らない領主から宣戦布告をされる言われはないはずだ。



ちなみにこの領地は王都から見て東方にある国だ。


最も、さらにこの国の東にはまた別の領土がある。




「な、何かの間違いじゃないのか!?」

「使者はもう帰ってしまったのですが、とにかく中をご覧ください!」



ハルトに届いた手紙には一文だけ開戦理由が書いてあった。


みるみるハルトの顔から血の気が引いてくる。



【交易の妨害をしたから】



(な、なんじゃそりゃああああああああああああああ!)


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る