6月12日 粒あん入りわらび餅

 料理が好きなのかは分からない。

「料理という過程で、完成品を作れる自分が好き」なのは確かだ。


 元々成功体験が極めて少なくて、心根が腐敗していたからだ。そんな考えにもなる。

 食費に制限を付け、その中で食材を買い、それを美味しく作る。失敗もあるが、成功の方が多いのだから、少し好きなのかもしれない。


 一人暮らしするんだって? なら不摂生にならない為にもちゃんと作って。

 なんて、周りからスパイスとか鉄フライパンとか頂いて数ヶ月経った。お世辞にも美味しい物を作れることはごく稀だが、今でもそのフライパンは使っているのだから、好きなのだろう。それを使っている自分が。


 なので、料理が好きなのかは、分からない。分からないのだが、大抵のものは自分で作りたがった。

 怒られるかもしれないけれど、「高い金払って弁当を買う」のはあまり娯楽以外に意義を感じない。傲慢に「それよりも安い値段で作りたい」が勝るのだろう。

 勿論、小売の惣菜と自炊を一緒に語るのはあまり良くない。ただ、惣菜によって含まれる人件費が、私が時折経験として得たいのだろう。省かれる手間暇を自分で体験して、それで美味しいご飯を作って自分は満足する。自己完結には、なっているだろう。


 という心が関係するかは置いといて、わらび餅を作った。先週作り置きして冷凍していた粒あんを包んで、きな粉をまぶした。

 そこまで量はない。ただ、鶏胸肉2枚分の値段を出してくるスーパーの甘味コーナーを見て、魔が差した。

 手で作れば、材料費は小豆ときなこと片栗粉でうんざりするほど作っても、300円くらいか。


 葛粉は高いので片栗粉代用。

 食感は違うが、冷たい夏には悪くは無い。

 試作にしてはいい出来だったから、暇潰しにひとつ覚えた。羊羹も作ったことがあるが、和菓子はあんこさえあれば暇潰しにでも色々作れる。


 その後まだ小腹が空いて、納豆ご飯と味噌汁を作って今に至る。

 今週の食費はいくらだろう、パンは130円で朝夕は900円、豆腐と納豆で300円。同僚との食事で昼は合計2000円。そこそこ食べたから、良しとしよう。


 ただ自分の食事量を昼に再現すると食事量が食費と重くなる。月曜からおにぎりを見せて断ろう。

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