虚言癖

@mogmog_

小さい頃の話

私は虚言癖がある。


思い返すと、幼稚園の頃にはすでに嘘をつくことが癖になっていた気がする。


幼稚園の先生の気を引こうと思って、トマトを見て泣いたことがあった。


「××ちゃんどうしたの?」


「いつか死んじゃうと思ったら、悲しくなっちゃった。」


それくらいの嘘なら、きっと可愛いものだった。


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小学生のとき、サンタさんを信じているかどうかで喧嘩になった。


私は本当はサンタなどいないと知っていた。


でも私は、サンタを信じる無垢な女の子だと周りに思われたかった。


思い込みというものはすごくて、いないと分かっているのに、喧嘩に熱中すると「本当にいるんじゃないか。絶対にこの喧嘩に負けたくない。相手を負かせたい。」と思った。


そして私はその子を殴った。


殴られた子は、思わず私の首を絞めた。


私は大きく泣きじゃくり、首を絞めるというハードな仕返しを見た周囲は、相手の子が悪いと先生へ言いつけた。


私が手を出したことは、幸い誰も口に出さず、私も黙っていた。


私はその日いちにち被害者のような顔をして過ごした気がする。

先生は相手の親に連絡し、相手の親は私の親へ謝罪した。


被害者のような態度を取るのは得意だった。


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小学生のとき、朝から母に殴られて、鼻血で顔中が血まみれになったことがあった。


母は咄嗟に心配したが、鼻血だと分かると出かけて行った。


私は、鼻血で血まみれの服を着替えて泣き腫らした目を冷やした後に学校へ向かったために遅刻した。


遅刻した私を心配してくれたクラスメイトに対して、怒られたことが恥ずかしかった私は「朝ごはん吐いちゃった」と答えた。


なぜ怒られたかは覚えていないが、母は当時ノイローゼ気味で、些細なことで手が出ることが頻繁にあった。


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小学3年生の時、家族で北海道へ旅行に訪れた。


私はその時少食で、食事を残した私を母は叱った。


その場で髪を引きずりトイレへ連れ込まれ、怒号を浴びせながら和式便所で蹴り続けた。


泣きじゃくる私に鍵を投げつけて、今から帰れと言い放ち、「帰れないよ」と蹴り続ける母の足にすがりついた。


その後、母の怒りがおさまった後に「お店の人に謝りなさい」と母に言われて、私は店員さんに頭を下げた。


母は、外出先でも手が出やすかった。


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