プライオリティ

「サハイア食べてみて下さい」

と黒い人が言う。

「おいしいのか」

と聞く。

黒い人はチェッと舌打ちする。


「サハイアのしゃりりと光り、

光り、くだける、青いサハイア、」

黒い人は口角泡を飛ばす。


「サファイアは硬いものだ」

と言う。

黒い人は聞かないでいる。


「サハイアのうまさではなく、

その青、その美、その光、」

黒い人の話は終わりそうにないので――

扉をぴったり閉めて、部屋をあとにした。

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