樽の中
樽の中にいのちがあり
いのちがあり営みがあり
神がいて幽霊がいて
そして殺人者が生きている。
われわれは樽が倒れて
いのちがみんなこぼれこぼれて
ちりぢりになってしまうことを
ただそれだけを恐れていた。
ただそれだけを消し去るために
神がいた幽霊がいた
にっくきあの殺人者もいた
ところが机は使われなかった。
机は日々落書きに汚れ
燃やされ砕かれ笑われた
ひとたびその机につけば
いつのまにやら殺された。
そういうことを考えながら
たったいま席についたところだ。
天はこぼれてくるだろうけど
たったいま机についたところだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます