夜もすがら僕の目を突いて

在りし日映す月の影。

ようやく思い出したとき

いっぺんに消える月の影。


そらごとも今や当然の

まことの嘘になりました。

それじゃああの日何してた、

確かにあった夏の日よ。


空飛ぶ月は覚えてる

僕の忘れた思い出を。

昼の光がごまかした

美しき花のような日々。


月影はただじれったく、

哀れむように見つめてる。

わすれろ わすれろ わすれろと

闇の暗さを知るゆえに。


夜もすがら僕の目を覚まし

在りし日映す月の影。

けれど朝にはまっさら白く

塗りこめる日を差し向ける。

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