Harvest Moon.(3)

渚の集中力が途切れてきた。学生時代じゃあるまいし、「何かを学ぶ」と言う経験は飽きがきやすいのだ。それでも興味のある分野と言うことで2時間頑張ったことは凄いと思う。僕だったら、1時間ぐらいであの青タヌキロボットをどうやってエロいことに使おうかと、妄想を始めて心ここにあらずとなるだろう。色々と使い道のありそうな道具がたくさんあるからなー。


「今日はここまでにしとく?」

時計を見れば16:00を回っている。駅まで送って、ちょっとお茶でも飲めばちょうどいい時間だろう。そして今夜の僕はオナニーをするだろう。

「うん、疲れたぁ」

「基本は分かったと思うから、あとは自分で色々やってみればいいよ、分からないことが出てきたら、その都度教えるから」

「つーかーれーたー」

何故甘える?

渚は、パソコンデスクの椅子から横にスライドして、ダブルベッドの下端に座った。あ、コレはヤバいと言うかエロい流れだ。ジーっと僕を見詰める渚。この生き物は本当に小悪魔だ。そして両手を広げて「すしざんまい」のポーズ。つまり、「おいで?」である。僕とて男である。ここまで露骨に誘われて「撤退」するわけが無い。早い話が押し倒した。無茶苦茶いい匂いがした。昼間かいた汗の匂いも混じり、男の90%は勃つような匂いになっていた。若干「臭い」とも言えるが、朝シャワーを浴び、清潔なシャツを着て来てるわけで、早い話が芳香を放っている。絶対にヤバい。じわじわと渚はベッドの上の方、ヘッドボードの方に移動する。「総員、戦闘開始っ!」である・・・

「あ、ちょっとその前にシャワーを貸して?」

「もう少しこのままでいい」

「待ってっ!待ってってばっ!汗臭いでしょっ!」

「いい匂い」

「駄目だったら駄目。シャワーを貸してくれないなら脱がないから」

「シャワーを浴びる前に脱いでくれる?」(変態である)

「んー、分かった。脱ぐから、ね?」

 僕は知った。女の子さんの匂いは「着衣があった方が濃い」と言うことに。しかし、直接嗅ぐのもいいものだ。舐めてみた。

「あ、ダメっ!」

叱られるのも「ご褒美」だ。

渚は上は下着姿のまま、浴室に向かった。逃がした魚はデカいぜ・・・

戻ってきた時には、上はノーブラTシャツ、下はパンティだけになっていた。

「洋ちゃんもシャワー。汗臭いと何も出来ないから」

 僕が乗っかるだけなら問題なさそうに思えたが、ここは「紳士の嗜み」として、清潔な身体で渚を抱きしめるべきであろう。今日は朝シャワーを浴びているので、短時間で済んだ。股間さえ洗えばいいだろう。それでも一応は全身をボディソープで清めたが。凄く勃っていた。腰にタオルを巻いて部屋に戻ると、渚は布団に入って僕をジーっと見た。

「洋ちゃん、明るい・・・」

「まだ夕方にもなってないから」

「明るいよ?」

渚は恥ずかしがっているようだ。しかし、初めてした時も「暗がり」では無かったので、大丈夫だろう。それにこの部屋には雨戸が無い。カーテンも無い。僕はそう説明した。

「昼間の明るいのはちょっと・・・」

そうは言っても、日が暮れるまで待つ気は無い。あと、説明しなかったが、この部屋の窓に雨戸は無いが「シャッター」がある。あの「ガラガラガラ」っと降ろす金属製のシャッターのことだが、嘘は言っていない。シャッターがあると言ってないだけだ。シャッターを降ろして部屋の電気を消すとガチで真っ暗になる。ソレはあまりにも「惜しい」話だ。

「我慢、出来ない」

 僕は率直に言うことにした。ここで遠慮をしたら、この先も遠慮してしまうことになる。早い話が明るい部屋で渚の身体を見たい。前回はおっぱいを見たことで満足した。丸みがあるが張りのあるDカップだった。今日は下半身を見たい。エッチな動画みたいに「M字開脚して?」とは言わないが、そこは行為のやりようでどうにでもなるはずだ。僕は腰のタオルを外して渚の横にあ滑り込んだ。

「やだ、もう勃ってるの?」

「勃たない方がおかしいだろ」

「脱いだ方がいい?」

「脱がないで。俺、ノーブラTシャツの上から触るのが好きなんだ」


性癖を全開で晒したが、この程度のことなら引かれることも無いだろう。渚の上を乗り越えて右側に移動した。この方が触りやすい。しばらく触っていた。揉むのではない、撫でるように触るのが好きなのだ。大体満足したので、僕の左手は股間に伸びた。内ももに手を添えて脚を広げようとすると、抵抗なく開いた。完全に「OKサイン」だ。いつの間にかお互いに全裸になっていたが、布団の中である。そして、なんだかんだ言っても暑いのだ。

「暑いね」

僕は渚に同意を求めた。

(コクコク)と頷いたので、思い切って羽毛布団をベッドから落とした。渚も予想済みの行動だっただろうけれど、やはり恥ずかしいようだ。しがみついてきたので抱きしめた。もう限界だが、まだやるべきことがある。股間の確認だ。前は先にパクっとされて、そのまま中に出してしまったので、僕は渚の股間に出会っていない。コレも性癖なのかも知れないが、中に出した後は、自分の精液の匂いとか味を知りたくは無いので、触るぐらいしかしない。今日はもう裸体が目の前にあって、出す前である。しばらくは指を這わせて、湿り気のある部分を楽しんでいたが、思い切って下半身に顔を近づけてみた。

「ちょっと・・・そこは・・・」

「渚は俺のアレを見たじゃん。おあいこだよ」

「アレは洋ちゃんが勃たないから仕方なかったの」

 しかし、渚の声にいつもの張りが無い。もう完全にエッチモードに入ってるようだ。このあたりの男女の「機微」には敏感な僕は、遠慮なく行為を続行した。肌が白い。「透き通るような」等表現があるけれど、まるで白人のように真っ白なのだ。密度の薄い陰毛は細くて柔らかだった。当然、前回のお返しとして舐めたが、もう反応が可愛い過ぎてエロい。喘ぎ声が非常に素晴らしい。遠慮がちだがしっかりと「体温を乗せてくる」感じの喘ぎ声。この子は完璧だ。


夕闇に部屋が青く染まる。行為を終えて渚は僕の腕枕で安心しきっている。そして僕の右手をそっと持ち上げて、手首の傷を手で包んで。

「私と・・・同じ・・・」

と呟く。ものすごく自然にそう呟いた。そうか、渚も僕と同じなんだと思った。渚は手首に刻み付ける代わりにタトゥーを入れたのだろうと思った。


牡丹の花言葉はなんだろう?渚を帰したら検索しようと思ったが、正直帰したくない。勿論、休憩をはさんだので2回戦もするが、今夜はどうしようかと迷う。明日だって仕事はあるが、ここは自宅なので、出勤するだけ。渚は明日は休みだろうか?いや、連休はあまり無いと言っていたので、仕事だろう。ああ、帰したくない・・・

「ねぇ?」

「ん?」

「もう1回、いい?」

「はいはい、ホント洋ちゃんて元気いいよね」

「渚が悪い・・・」


 事後のけだるさを楽しんだら、もう時間は20:00近い。渚はやはり明日は仕事だと言うことで帰ると言う。僕も渚もお腹を空かせていたし、そろそろ駅まで送るついでに飯でも食おうかと言う話になった。時間的にソレが限界だろう。渚が住む街まで1時間半かかる。ファミレスで食事をして、割とすぐに店を出れば深夜にはならないだろう。若い女の子を深夜に一人で歩かせるわけにもいかない。

 バスの後ろの方、二人掛けシート。渚はごく自然に僕の隣にいて、僕が膝に乗せた右手を包むように手を添えていた。必ず渚がこうやって「好きですムーブ」をするから、僕は夢中になるのだ。

ファミレスの灯りの下で見る渚も美しい。この子は化粧をしているのだろうかと疑問に思うくらいの素顔だ。いや、じっくり見れば薄化粧をしているのは分かるが。


 渚はハンバーグセット、僕はチキンステーキセットを頼んだ。本当に渚はよく食べる。そして、食べた栄養をおっぱいに費やすのだろう。お腹はぺったんこの美ボディだった。思い出すとまた妙な気持ちになるので、会話して気を逸らす。

「ね、渚?」

「ん」

「誕生日って知ってる?」

「洋ちゃんの?」

「そうそう、渚の誕生日はいつ?」

「私?4月10日だけど、洋ちゃんは?」

「10月1日」

「もうーっ!早く言ってよ」

「なんで?」

「もう来週じゃない。遅いってば」

「お祝いとかしてくれるの?」

「10月1日は駅前で12:00だから」


素晴らしいことに、渚は当たり前のように僕の誕生日を祝ってくれるようだ。僕の人生、何故か自分の誕生日は「カノジョがいない」と言うことが多く、何故かカノジョの誕生日に立ち会うことばかり多かった。ここらで「赤字を清算」しておくべきだろう。通常のカノジョ指数に対して、「1渚」は「10カノジョ」に値する。まさかこんなにも美しい人と、42歳になった僕が恋愛関係になるとは思っていなかったので、「渚指数」はうなぎ登りだ。

 二人でお腹をしっかり満たした後、あまり駄弁らずに店を出た。まだ夏のような気温だが、湿度が低いので涼しく感じられる。ちょっと歩けば駅に着く。渚は僕の半歩前を歩いている。身長が小さいので気にならない。いや、非常に愛おしい。21歳タトゥーあり。しかも強烈に美しいと言う、数え役満クラスだ。遠くから見ていたなら、絶対に近づきたくないと思わせる人だが、何故か僕の前にいる。それなのに、僕の心はどうしてここまで平穏なのか?


結局、検索しなかった牡丹の花言葉は「高貴・百花の王・恥じらい」

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