冴えた

@mu-gu-et

第1話

朝の8時。若干の吐き気。

夕べは布団に入って起きるまで2時間。

今日は暑くなりそうな青い空。

鳥の囀りが心地良い。


父の機嫌が悪いと母から昨夕電話がきた。仕事帰りの足取りが重くなった。

「またかぁー」心の中で叫んでたけど、口に出ていたかもしれない。

母と夜中の作戦会議。虚しくも愚痴ばかり。

起因は私。矛先が私。

普段と変わらず暮らしていたのに。


年に一度あるかな。その波がやってきた。


そうなると口もまともに聞きもしない。

分かってる。分かってるけど、久しぶりの不意打ちパンチが、思った以上に入ったせいか、

眠る事を2時間で放棄した。

眠い。眠れない。


5時。犬の散歩が終わり、母とコーヒー飲みながらベーグル半分こ。作戦会議。


6時30分。ダダダダーンっ!

「え?」

母もダメージ頂きまくり。

階段踏み外した。

階段下の荷物ごと玄関へ、モーニングダイブ。


慌てて駆け寄り母を支える。

「お母さん大丈夫?」「大丈夫だよ。」

父も駆け寄り母を怒鳴った。

「バカか」 「そんな事…っ。」


あぁーなんだか地獄絵図。

あまり眠れなかったけど目が冴えてる。

普段より思考も冴えてる。


肘を押さえて腰をさすり母は笑顔で仕事に向かった。

母が体を痛める羽目になったトリガーは私だ。


こんな時まで仕事行かせてしまってごめんね


見送り、私も仕事行かなきゃと部屋に戻り

冷めたコーヒーを飲み干した。


父は犬と出掛けるらしい。

私は声を張って「いってらっしゃい。気をつけてね」

「……。」ガラガラピシャン。戸を締め出てゆく父。

…ですよね。あはは。ははあぁーあ。

どうか1日も早く元に戻ってくりゃれ。


変わらず鳥の囀りが心地良い。


仕事頑張ろう。

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