第43話 ゲーム
目が覚めると辺りは草原で、レイは温かい日差しとは真反対に冷たい視線を感じた。カルデとレブンは隣で気を失ったままだった。
「おはよう、レイ君」とティルジン王は長年願ってきた夢がすぐそこにあるのを身に噛みしめ、思いっきり笑顔で言った。レイは怒りに襲われ、ティルジン王に立ち向かおうとしたが、手足が縛られているのに気が付いた。
「?!何で縛ってんだよ!」
「いいじゃないか、後でちゃんとほどいてやるから」
「それより、これからゲームをするんだ」とティルジン王は楽しそうに言った。
「は?!ふざけんな!」
「ゲームの内容は簡単だ。正々堂々戦うだけだ。このまま処刑してもよかったが、チャンスの一つぐらいはないと不平等だから、ゲームをすることにした。勝者は相手を踏み台にして自分の好きなことをする。敗者は死だ。どうだやるか?嫌ならさっさと現実に戻って一生夢に来るな」
「やるに決まってるだろ!お前みたいなやつだけは王でいたらダメだ!」
「根性はあるようだが、馬鹿だな。魔力がないくせに私に立ち向かうとは」ティルジン王はレイをあざ笑った。するとティルジン王の後ろの方から軍隊がぞろぞろとやってきた。レイは軍隊が来る光景をを呆然と見つめていた。
「驚いたか。人数でもお前は私に勝てないぞ!」とティルジン王は自慢げに言った。カルデとレブンは意識がもうろうとしたままうすく目を開けた。
「起きたな。そろそろゲームを始めよう」
「パチンッ」とティルジン王は指を鳴らした。するとティルジン王の後ろに
「ストン」とカドラが現れた。
「カドラ・・・」レイは少し驚いた。
「レブンの息子、残念だな。もう死んでしまうのは」とカドラはにんまりと笑いながら言った。レイは謎の寒気がした。
「パチンッ」とティルジン王はまた指を鳴らした。するとレイたちの手足を縛っていた縄が一瞬で燃えて消えた。レイの手首にはきつく縛ってあったことを示すかのように跡がついていた。
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