★In the room (栱英)

※マジでヤッてるだけの小話です

※露骨な性描写が多分に含まれます




 床でセックスするのって、本能に負けた動物のすることだよな、と、まさにその最中の栱梛くいなは自嘲した。

 その相手のあきらはというと、IKEAのビニール収納袋を抱え込んで喘いでいる。IKEAのビニール製の収納袋に、季節はずれの服を詰め込めば、大きめのクッションのようになり、並べて置けばソファ代わりになると(くいなはホントにオシャレを知らねーなぁと小馬鹿にしつつ)教えてきたのは英当人だが、今は溺れかけの人間のようにそれにしがみついて「そこ、そこきもちいッ♡ そこおっ、あっもういく、いぐっ、いぐイぐッ、くいなぁぁ♡」と息も絶え絶えに快楽の波に揺さぶられていた。背後からその腰を抱え、しきりにそこがいいと叫ぶ奥をごりごりと責め立ててやると、英はいよいよ意味をなさないおらび声を垂れ流してついでにとろとろ精液も垂れ流した。ペニスに触らずに射精するのも慣れたもので、栱梛のおかげで柔軟に育った英のアナルは咀嚼するほどの勢いで栱梛の巨がつく男根とオーガズムの快楽を貪り、あむあむと揉み込まれきゅうきゅうと締めつけてくるその感触にめでたく栱梛も射精の解放感を味わうことができた。出し切ると、一瞬頭が落ち着き、ふと汗ばんだ体に吹きつけるエアコンの風を感じたりなどする。

 「映画観んぞ映画」と酒瓶片手に押しかけてきた英も、どうせもともとセックスするつもりで訪ねてきたのだろうが(栱梛が尻に手を伸ばしても止めなかった時点で準備はできているのだなと理解していた)、まさか床で挑んでしまうとは思わず、膝がいい加減痛くなってきたのを興奮で茹だった熱い脳みその隅でぼんやり感じながら、二回戦はちゃんとベッドでやろう、と英の肩を掴んで起こすと、なにを勘違いしたのか振り返って栱梛の上腕二頭筋のあたりをさすりながらキスをねだってきたので、はいはいちゅっちゅと甘やかしてやりながら、ベッドまでその体を運ぶと、ちうちうと栱梛の唇に吸いついていた英がやっと気づいたのか「んぇ…?」とうっとり蕩けて閉じていた瞼を開けた。その体を跨ぎながらよしよしと頭を撫でてやると、すぐにそれに夢中になって夢のなかへ旅立とうとしてしまうので、尻を掴んでそのまま指でアナルの周りを軽く揉んだり擦ったり刺激してみると、にゃあと猫のような声をあげて英は不満そうに目を開けた。

「おれぇ、今日もうできねえからぁ」

「がんばれがんばれ、あきらならできるよ」

 適当な励ましをしながら腿に腕を回して足を開かせると、やっと己の置かれた状況に気がついたのか、英が慌てて抜け出そうとしたが、浮いた尻に指を突っ込んで前立腺のあたりをくいくい圧迫したら容易く脱力してにゃあにゃあ言い出した。かわいこぶった声をあげているのもかわいいが、まだ余裕があるということでもある。ハンドクリームを塗り足してローションも垂らして、さっきと同じように奥まで挿入すると、「おっ♡」と英からちょっと汚い声が出た。これだこれだ、と奥を拡げるように押しつけて回すと、何度か脚をぴんとつっぱらせた英ががくがく震えて白目がちになってきた。だが完全に白目を剥いて息も忘れて痙攣しだすまではイケる。乳首をぎゅっとつまんでやると、絞められたようなか細い悲鳴をあげて自分のペニスの先をいじめ始めた。自分でさらに自分を追い込むとはなかなか気概がある。コイツ筋トレの素質があるんじゃなかろうか。と一瞬脳裏をよぎるが、栱梛もそれなりに余裕がなかったので、どうでもいい思考は打ち切って腰の動きをピストンに変えた。英がなにか懇願しているような気がするが、必死すぎて逆に聞き取れない。そうこうしているうちにまた頂が見えてきたので、ぐっと歯を食いしばって英の腋に腕を通して抱きしめてラストスパートをかけたところ、本気で通報されそうな断末魔が耳元で発された。

「それいぐ、いぐっ、しぬーッ♡ しぅ、しぬうう、アッ、くる、くるっ、すごいのくる♡ あひぃい、たすけてったすけてーっしんじゃう♡ ぎもぢいい! くいなのちんぽでかすぎッでかいッくいなのちんぽぎもぢいいぃぃ! そこイぐ! それして! おくもっとして! あーっ♡ あーっ♡ きもちい♡ ぎもぢいぃ♡ くいなのぉちんぽきもぢよしゅぎうぅぅ! あっあっはげしっア゛ァァっアァゥオッオ゛ォッしぬ! しぬ! しぬ! やだあぁっすごいのくる、くるっ、ぐるーっしぬしぬしぬっっひぎィッひぎぃぃぃぁああおおおぉぉお゛っ♡」

 ──などと、肉欲を苛立たせることを言ってくれるので、小さな尻を鷲掴み、結合部が泡立つほど勢いよく掘り進めると、英の声と息が止まって完全に白目を剥き泡を吹いて痙攣し出したので、しっかり奥で全部放出したあと、ディープキスついでに息を吹き込んでやった。栱梛本人の息も乱れていたので効果の程は微妙だが、少しすると英は瞼を閉じてすこやかな寝息を立て始めたので、栱梛は汗や涙やいろんな液体で張りついた英の前髪を指で分けて、額をなでた。そんな栱梛の全身も、汗ばんだというより一度雨に打たれたくらいに濡れている。シャワーを浴びて、いやその前に床で組んづほぐれつしているうちにどこかへ吹っ飛んでしまっただろうメガネを探さなくては、と考えながら、すやすや夢のなかに片足つっこんでいる英に「シャワーいけるか?」と尋ねてみたところ、ほにゃほにゃ言いながらなんと栱梛のふたつのタマをふにふにお手玉のようにもみだした。目はほぼ閉じているので夢うつつの甘えかと思いつつ、そんなことをされたら「三回戦は風呂場かなぁ」なんて思ってしまいつつ、英を抱えてびしょびしょの床を風呂場まで引きずっていく栱梛なのであった。

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