第7話 3日目②薬草探し

村を出て500m程進み草原に足を踏み入れ魔法の事を思い出した。

土魔法と言えば壁か!?

壁はウォールだっけかな!?

よっしゃ「ウォール!」


前方に厚さ10cm縦横1mの正方形の土壁が出現した。

「初めての攻撃魔法!?いやどう見ても防御魔法だな。こりゃ。もう一発いって見ようか。ウォール」

穴はホールか!?「ホール!」

今度は縦横1m深さ50cm程の穴が空いた。

これ、落とし穴とか使えるんじゃねぇ!?


ステータスオープン

HP30/30

MP11/20


あっMP9も減ってる。

て事は土魔法一回でMP3使うのかな!?

剣を取り出して振りかぶり「斬」

草っ原に少し切り傷が付いた感じで振りが鋭くなったような気がした。

MP9/20

今のが斬か。

MP2を消費だな。

正直効果はイマイチ分からないが、これ以上調子にのってやると魔力切れ起こすな。


おっとっと。

前方に茶色い20cm程の兎発見。


「これが野兎か!?ほらほら、うりゃ〜」

剣を何度か振り下ろすがぴょんぴょん跳ねて逃げ回る。

「もう一つおまけにうりゃ〜。なんか楽しくなって来た〜おりゃ〜うりゃ〜」

10分程追い掛け回す。


「お・りゃ〜・ふ・りゃ〜」やばい疲れて来てふらふらする。

野兎はニヤって笑ったかの様な顔をし、巣穴に逃げ込んだ。

巣穴に剣を突っ込んでツンツンしたが、10m先の穴から逃げ出して何処に行ってしまった。


「今日はこの位で勘弁してやるよ」

と捨て台詞を残し、へたり込んだ。


「あ〜体力ないし、攻撃当たらないし、しんど」

インベントリから水筒を出して口にゆっくりと注ぎ込む。

「うっま〜。一仕事終わった後は最高だぜ」


「いや、逃げられたんですが…」と一人突っ込みをして気を紛らわした。


「いや、今日の目的は薬草探し!野兎討伐はあくまでも練習ですからね」

なんか虚しくなって来たわ。

森の方へ向かって歩き出す。

しばらくするとA層と書かれた立て札を見つける。


ここから先がB層で本番だな。

辺りを注意しながら薬草を探す。

木陰で白く小さな花を咲かせた月見草らしき物を見つけた。

図鑑を取り出して見比べると確かに似ている。

タガーナイフを取り出してサクッと根本から切り回収。

辺りには5本程似たよな花が有り回収。


もう少し奥に進むと紫色した花があり、図鑑と見比べると毒ダミ草に似ているの回収。

周りの木々に、また来た時に分かるように剣でをつけて半径20mくらいを隈なく探す。

すると花は咲いてないが似たような葉っぱの薬草も回収して20本ずつくらい集めた。


「あ〜腹減った。そろそろお昼頃かな!?あ、水以外持って来なかった。肉屋さんにパンとか売ってたはずなのに買い忘れた。一旦村まで戻ろう」


辺りを警戒しながら草原の方に歩きだすとあいつが居た。

昨日死闘を演じた一角兎野郎だ。


体長30cmはあるかな?野兎よりひと周り大きい。赤い目で睨んでいて好戦的な表情をしてやがる。


俺がジリッジリッと間合いを詰めると飛び掛かってきた。

1m近くジャンプして角でお腹の辺りを攻撃して来たが、角をタガーナイフで薙ぎ払う。

一旦後ろに下り、右に左にフェイントしながら突撃してるのを何とか躱した。


「お主中々やるな。てか何でオレはタガーナイフで戦ってるんだ。しかもに持ってるし馬鹿なの?おっちょこちょいなの?」


慌ててタガーナイフをしまい、ショートソードを構えた。

「ほら、どっからでも掛かって来い。このすっとこどっこい!」

人間の言葉など分かるはずもないのに、頭に血が上ったのかフェイント掛けずにまっすぐ突っ込んできた。

「斬」……


振り下ろしたショートソードは一角兎の胴と頭を一撃で切り落とした。

「お前も強かったよ。短気じゃなければな。また来世で闘おう」と中二病的な言葉を残してその場を去った。


「あ、いけね。回収し忘れた」と10m進んでから引き返した。

その後は何事もなく村に到着。肉屋さんでソーセージパンを1つ購入しようとが、初回なんでサービスしてくれた。 

ギルドで休憩しながら食べる事にしよう。


「こんにちは」

「あら、もう帰って来たの。まだ12時過ぎよ」

「いや〜昼飯買い忘れて戻って来ました。あそこのテーブルで食べて良いですか?それと薬草少し取って来たので鑑定をお願いします」


「良いわよ。薬草テーブルに出してみて」

15本ずつカウンターのテーブルに出した。


「こっちは月見草は10本と日和草ひよりそう5本ね。日和草は、雑草で何の価値もなし。こっちは毒ダミ草10本と毒当たり草が5本。毒当たり草は食べると本当に毒に当たるから注意してね。換金する?」

「換金は夕方でいいので預けます。毒当たり草は何か使い道あるかも知れないので持って帰ります」


テーブルに座ってパンと水筒を取り出して食べ始めた。

「メアリーさん、スキルのインベントリって知ってます?」

「ええ、知ってるわよ。見た事ないけど聞いた事はあるわ」

「どうやら、こんな感じみたいなんですが」と言って自分の目の前の空間から、もう一本の水筒を出した。

いきなりカウンターからメアリーさんが近づいて来て僕の両肩を両手でしっかり掴み前後に揺する。


「ちょっと待ったぁ。もう一回やってみて」

今度はその空間に、出した水筒を入れた。


「種も仕掛けもありません。何ちゃって」と両手の掌を広げて見せた。


「うぉ〜なんてこったい!初めて見たわ。1000人〜2000人に1人のレアスキルなのよ。時間経過でも物が腐らないらしいし、重さも感じない?」


「腐るような物入れた事ないから分かりませんが、重さは感じませんね。聞きたいのはお金が出て来た事なんです。一度目は出て来たけどそれ以降は無し」


「そりゃ当たり前よ。マジックバッグの時間停止版なんだから。本人が入れた物しか出てこない。もしかして無限にお金出てくるとかアホな妄想しちゃった?クスクス」 


「いや、そんなアホな妄想はしてませんが…」

と言いつつ淡い期待はすっ飛んだ。

「でもこれは信用出来る人にしか話さない方が良いわ。面倒な事になるかも知れないからね!?私達2人だけのよ」



「何だって!何が2人だけの秘密だって」

メアリーさんの後ろに180cmは超えようかと言う強面の男が立ち、メアリーさんを羽交い締めにした。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る