第5話 見知らぬ首輪

 ビックリしたことが更新された。前にビックリしたのが猫の毛色だ。

 猫の色は上から絵の具を垂らすように染まる。足先まで黒が足りずに白靴下のにゃんにゃんが誕生するそうだ。


 今のビックリナンバーワンはみお君の指輪だ。ファンタジーすぎるけど、体験したので信じるしかない。


 歯医者にあきらめて行ったらみお君にばったり会った。他にも人がいたから話はできなかったけど。私が考えていることは筒抜けかもしれない。いや指輪外してるか。歯医者で人の心が見えたらこっちの心が折れる気がする。病院も学校も人の多いところはなおさら。


 私の空想は半分当たっていて、スケボーはしないけど、夜遅くまで帰らない日もあるそうだ。ある日怪しい露店商に売り付けられた。安いし捨てればいいかと買った。面白いから使ってるだけで悪用はできないよ。みお君はそう言うけど悪用方法いくらでもあると思う。


 歯医者から出てきたらみお君に待ち伏せされてた。


「あれから誰かに言いましたか。この指輪を盗むならあなたの恥ずかしい話ばらまきますよ」


 おっと脅迫だった。恥ずかしいと聞いてとっさに浮かんでしまったあれこれを慌てて引っ込める。


「指輪のこと言わなきゃよかったんじゃない?」


「だってりくさん妄想するでしょ」


「みお君、私は何もしないよ」


「どうだか、首輪つけとかないと」


「え!それプレイ?」


「違います!!変なこと考えないで」


 耳まで真っ赤のみお君に、また新しい悪用方法を思いつく。

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見知らぬ指輪 新吉 @bottiti

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