(3)マジック・ルーム・クッキング!

◇◇◇魔法部屋マジックルーム◇◇◇


中年は今、魔法部屋のキッチンにて料理をしていた。

「よしっ!これでいいわね?」

「良くないよ~?クッキーの生地がドロドロじゃないの~~~………やり直し!」


「…………シーラが厳しい」

「あの青髪のエルフは料理の事となると本当に厳しくなるな、俺も怒られたぞ?」


それはつまみ食いばかりするからだよシアちゃん、そしてこのキッチンにはエルフ3人娘とシアちゃんが私と共にクッキングをしていた。


実は今夜ちょっとしたプチイベントをベーネちゃんにしようと中年が思い至ったのだが、それを相談したイオちゃんがゴーレムツインズやらエルフ3人娘やらシアちゃんに話を広げてしまったのだ。


そのプチイベントとは夜のお茶会的なヤツだ、するとエルフ3人娘がお茶会ならお菓子は必須、それも手作りのお菓子が!っと主張してきたのだ。

その話に面白そうだとシアちゃんが飛び付いて来た。


流石にこの4人にクッキングを任せるとか無理なので中年が見張り役をしている。

ちなみにそのお茶会にはこの世界の物を使った、この世界のお菓子も用意しようとイオちゃんとゴーレムツインズがお買い物をしている。


「落ち着いて下さい、先ずは……」

中年の声なんて無視して女子会のノリが如くクッキングは進む、まぁダメにした材料は魔法で消せるし新しい材料はまた魔法で出せるんだけど……。


「……やっぱりもう私の魔法で完成品を出した方が速くないですか?」

「ダメだよアオちゃ~~ん!食べ物は手作りなのが普通なの!魔法で出すなんて邪道だよ~~~!」


その邪道な料理も美味しい美味しいって食ってたの君もだぞ青ウェーブ、まあ流石にリエリやユーリの手作りの方が良いというのは私も同意だけど。


「…………私に任せて、ほおおおっ!」

銀髪ボブちゃんが手早くクッキー生地を用意していく、案外この子がエルフ3人娘の中で1番上手くないか?。


青ウェーブは人にケチをつけるけどそこまで料理上手くないんだよ、そもそも料理をしてる所を見たことがない。今の指示はしてるけど自分はエプロンすら装備してないしな。


「よしっ俺はこの焼き菓子を作ってみるか!」

シアちゃんが焼き菓子の料理雑誌を片手にバカな事を言っている。

それは料理が出来る人が見る物であって包丁も碌に握れない君が読むヤツじゃないよ?。


「ならアタシはこの生地を魔法で焼いてあげるわ!」

「ダ~メ~だ~よ!せっかくミラが用意してはくれたのに黒こげになっちゃうよ~~!?」


「……………」


現場はまさにカオス、やっぱりユーリかリエリの助けが必要だな。



◇◇◇学園都市・市街地区◇◇◇



「………と言う訳でユーリ、リエリにお願い出来ますか?」

「「……分かりました」」


私は転移魔法でお買い物中のゴーレムツインズとイオちゃんの元に向かった。

「………ハァッ彼女達は優秀な生徒なんですが、少し奔放が過ぎるんです」


「奔放なのは構いませんが、ご主人様が主催するお茶会の邪魔するのは許せませんね。ユーリが直にお仕置きをしてきます」

「おっお仕置きですか?それは少し待って欲しいのですが……」


「ならイオも来ますか?そしてあの3バカエルフをどうにかしなさい」

「さっ……3バカエルフ……」


流石はユーリ、言葉に遠慮と言うものがない、これならあの傍若無人なエルフ3人娘も大人しくしてくれるだろう。


「……ご主人様、ここはユーリとイオに任せてリエリとご主人様で買い物の続きをしては?」

「そうですね、ではユーリとイオさん。頼めますか?」


「ユーリにお任せを」

「はいっ私が受け持った生徒でもあるので言うことは聞くでしょうから問題ありません」


実に頼りなる美女2人である、ユーリの転移魔法で魔法部屋に向かうのを見届けてからリエリと私はお買い物に向かった。



この世界はファンタジーな世界観の異世界だ。

当然買い物1つでも出歩くと様々の人々の生活を垣間見える。


ここは学園都市だが、普通に生活をしている住人がかなりいるのだ。元は学園の生徒だったとか、学園都市を運営していく為に必要の人材を世界から集めて来たのかも知れない。


詳しい事は分からないが、あの超巨大なエリンギ岩の上の大都市には多くの人々の営みがあった。


「いらっしゃ~~い!下界の大森林で狩った黄金トンボだよ!羽は高級魔道具の材料だ!安くしとくよ~~~!」

「おっ!いくらなんだい?」


「この魔法の杖、中々良い出来じゃない?」

「お目が高いね。ソイツは掘り出し物だよ?何しろ学園地下のダンジョン産のお宝だからね!」


「この動いて働くパン人形は如何かな?働かせた後は食べれるよ?」

「働かせたら汚れたりしないの?」

「するね、お腹を壊したら自己責任ね」

「ちょっと!?」


ファンタジーな街並みから聞こえてくる声はどれもこれも変なのばっかである。

「ご主人様、この学園都市では食材を売っている市場があります。そこに行きましょう」


「はいっ分かりました」


市場か、そんな場所まであるとは学園都市は本当に色々あるなぁ。







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