第2記:引退

 先ほど、第250次元「運」を仕上げた。ニューマシンで作成した文章を送信した。記念すべき(でもないか)初投稿というわけ。約5年に亘って、使い続けてきた我が愛機、旧愛機は、今週の頭に「引退の日」を迎えた。この間、アメーバを更新したり、短篇コンクールに応募(勿論落選)したり、ぴよぶっくに登録したりと、実に色んなことがあった。

 俺の遊びは「彼」なしには成立しなかった。優秀とは云えぬ操縦(操作)者につき合ってくれた。限界点を越えてから、なおも一年頑張ってくれた。長い道中、壊れることもなく、無事終点に辿り着いた。あらためて、感謝の意を捧げたい。そして、彼に「名馬」の称号を贈りたい。


 そのようなわけで、昨日と今日は戦闘態勢を整えるために、彼方此方を走り回っていた。幸運にもと、云っていいのかどうかはわからないが、今週はクラブが休みだった。来週金曜は例会が予定されている。土曜を挟み、翌日の日曜は、クラブ主催の大会が催される。

 俺も自爆を前提に(そんな「前提」は聞いたためしがないが)参加するつもりである。末席であっても、会員である以上、辞退は許されぬ。


 前回は、深く考えず、無我夢中で指したのが、かえって良かったらしい。望外の戦果を得ることができた。が、今回は駄目だろう。知識が中途半端に増えた分、負けの数も増えるだろう。見込みはゼロだ。

 チェスの勝敗に運が関係することはほとんどない。実力絶対の世界であり、弱い奴は強い奴に食われる定めになっている。俺も一度ぐらい食ってみたいものだが、まあ、難しい。勝てる気が全然しない。旧愛機に追随して、俺も「引退」を迎えそうな気配である。さらば、チェス(←こればっか)。〔1月16日〕


♞どうやら、チェスの大会に出るつもりらしい。全敗のダメージやショックを少しでも和らげようという魂胆であろう。しきりに云い訳を重ねている。自爆とか、引退とか、さらばとか、近い将来にやって来る「退会の日」を予感させる言葉が幾つも出てくるのが興味深い。霊感もないし、その種の素質は絶無に等しいが、俺は俺なりに何かを感じていたのかも知れない。

俺の内面で渦巻いている溶岩めいたものはさておき、チェスそのものは大変面白いゲームである。適当な相手が周りにいないのなら、コンピューターに代行させればいい。ある程度腕を磨いてから、クラブの門を叩いてみてはいかが。

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