第12話 出発

「さて、じゃあウインドともここまでだな

 また会おうな! そして次も俺が勝つ!」


「まぁ、今はそう言っとけばいいよ。

 僕は『ゴッドスライム』になって君を倒す!」


 俺はあの後城から手配してもらった馬車に乗ってドューエサイドへ行くため、乗り場に来ていた。


「ま! お前がなる頃には、俺は人間族最強になる

 けどな! 」

(まぁ、ほんとは自分の『目的』のための旅するだけなんだがな。)


「人間族なんて、亜人でもない限り強くはなれない

 よ」


「………………」(確かに……!)


「あ、あれ? ……ご、ごめん、言いすぎたね、

 熱くなってしまったよ………」


 ウインド、口喧嘩向いてないなぁ……じゃなくて、確かに、俺はどうやって爆発を止めるんだ? 。いくら神様達の協力があるとはいえ人間族にも限界があるよな……。


「あ、皆さまもうここを立たれるのですね」


「あ! はい、俺もそろそろ活動を始めなきゃいけないので」


今の俺には目標があるんだ。少なくとも、マイペースに行けば困る人(?)がたくさんいる。


「私も、スライムとしての誇りを持って最強になります!」


ウインドももうここを出るのに心残りはないみたいだしな。


「わかりました。それでは、オルトー様には馬車を手配いたします………ウインド様、本当に徒歩でいかれるのですか?」


「はい! 1匹でも生きてくのに、頼ってばかりでは行けませんから!」



……やけに刺さることばだな。


「わかりました、ではオルトー様、ドューエサイドまでですよね?」


「あ、あぁ、そうしてもらえると嬉しいです。」


「……では、ここでお別れですっ!  ……また来てくださいね」


彼女がニコッと笑いかけてくる。


…………こんなあったかい声を聞いたのは久しぶりだなぁ、とっても、気持ちいい。



「…………あぁ!」


俺はこの人のこの笑顔を守りたい。だからこそ、

人以外の種族も守らなきゃ。寂しいなんて気持ちは味わうもんじゃない。

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