何度も見る着物の夢

 ご依頼いただきありがとうございます。



◇◇◇◇◇ 夢の内容 ◇◇◇◇◇


1.名前……赤羽杏子


2.年齢……43歳


3.性別……女


4.職業……ライター


5.家族構成……独身。母と弟がいるが、ほぼ音信不通。父は既に死亡。


6.夢の内容……「何度も見る着物の夢」


私は9年前(34歳)くらいからくり返し見る夢があります。

2~3ヶ月に一度くらいでしょうか。だいたいストーリーは同じです。

(1)『私は日本家屋のなかにいる。

場所は、祖母の家の和室だったり、あるいは実家だったりします。

「家族に関係した場所である」ということが共通しています。

私はタンスや引き出しをあけて、自分の着物を探している。

しかし探し出したそれは、ボロボロだったり、古びていたりで着られない』

この夢を見たあとは、イヤ~な、どんよりとした気分になります。

しかし今年に入ってから、夢の内容が変わってきました。

(2)祖母宅の和室にいる。ごく普通の着物を整理している。

(3)またどこかの和室にいる。部屋には着物が散らかっている。

その着物は、べつにボロボロではない。一応きれいだ。

これとこれは処分、と仕分けしている。

(4)私は着物をひろげて、チェックしている。

「これ、誰か他の人が着たっけ?」と思って、着物をクリーニングに出そうとしている。自分が着物をきているイメージを見る。

目覚めても、特にイヤな気分はしない。

けれど「なぜ、着物のことがしつこくに出てくるのだろう?」と疑問に思っています。

・夢について補足コメント

私は9年前に引っ越しする時、親からつくってもらった着物を処分しました。

今でも時々「もったいなかったな~」と後悔することがあります。

夢のなかに登場しているのは、すべて過去に自分が持っていた着物です。


7.書籍化可否……書籍化しても問題ありません。よろしくお願いします。



◇◇◇◇◇ 占いの結果 ◇◇◇◇◇


★ キーワード


①家……家庭。外に対する内の象徴。自分自身の心理状態や生活全般。


②着物……社会性の象徴。モラルや道徳、あるいは他人から見た自分のイメージ。


③整理……苦悩からの解放、心の大掃除。


★解説

 キーワードで述べたように家は外に対する内の象徴で自分自身の心理状態や生活状況を表す場合がほとんどです。ただ、今回は祖母の家や実家などで、おそらく幼少期に慣れ親しんだ場所だと思われます。幼少期に慣れ親しんだ場所、どこか懐かしさを感じる場所というのは母体回帰欲求、懐古的感情の現れです。一言で言い換えるなら「昔に帰りたい」という気持ち……現実逃避の傾向が顕著に表れたものです。

 服は社会性の象徴でモラルや道徳、規律などがイメージ化したものだったり、あるいは他人から見た自分の客観的評価が形になって現れたものだったりします。ボロボロに傷んだ服や汚れた服というのは、道徳や規律・モラルが守られず無秩序な理不尽さに晒されているか、あるいは第三者からは自分がボロボロでみすぼらしく見えているという自覚が夢になったものだと言えます。

 次に何かを整理したり捨てたりといった夢はキーワードで書いたように心の中で大掃除が行われ、苦悩から解放されつつあることを示しています。



★総合

 総合するに……それまで抱え込んでいた苦悩から解放されていくことを示す吉夢です。

 着物はおそらく依頼者様自身の苦悩の象徴です。他人から見た自分の悪いイメージであり、汚されてしまった自分の心の中にある本来なら潔癖なはずの部分……それを象徴したものです。実際、最初のころはその夢を見た時にドンヨリとした悪い気分になっています。これは自分の悪い部分を自覚し、嫌な気分になっていることを如実に表しています。実家や祖母の家といった、懐古的感情を起こさせる場所が背景なのも、そうした嫌な自分、嫌な境遇、嫌な状況から逃げ出したいという欲求の現れでしょう。

 しかし夢は変わっていきます。着物を捨てていくうちに着物の状態はどんどんマシになっています。背景も実家や祖母の家という懐古的感情を想起させるような要素を失っていきます。おそらく実際に依頼者様の心の中で大掃除が行われたのです。

 嫌なものが捨て去られ、心の中がどんどん整理されていき、捨てるべき着物……すなわち自分の負の側面が徐々に整理され、抱えていた苦悩が軽減されていったのでしょう。

 最後の方は心の中の整理がついてしまっているので、同じ夢を見ても悪い感情が湧かなくなっています。


 何度も同じ夢を見るのは、自分は苦悩から解放されているんだという確認であろうと推察します。そう言う意味では、この夢を見始めていた頃に抱えていた苦悩から完全には解放されきれていないと言えるかも知れません。が、これはその苦悩にまだ囚われているという意味ではありません。言ってみれば過去に火事で家を失った人が、火元の点検をしつこく繰り返す癖がついてしまったのと同じようなものです。

 もう苦悩からは解放された。もう二度と同じ苦悩は抱えない。繰り返さない……そうした決意が同じ夢を繰り返し見させているのだと推測します。

 教訓を忘れないために依頼者様はおそらくしばらくはこれと同じような夢を見続けることでしょう。見なくなるとしたら、その頃の教訓が必要なくなった時です。

 悪い夢ではありません。同じ夢を見ても晴れやかな気分にはならないかもしれませんが、間違いなく吉夢ですので、御安心ください。

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夢占いしてみました 乙枯 @NURU_osan

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