恋以上愛未満。人を想うとはどういうことなのか。

この作品には、事件があります(死人は出ませんよ^^;)。

普通のお話であれば、犯人探しやら、その上での和解やらといった展開があるはずなのですが、この作品はそれらの一切を放棄。
というか、完全に犯人は明らかであることを描きつつ、『では、主人公・明子はどうするのか』という方に焦点が合っています。

直接的にバシッ、と描くところと、敢えて婉曲的に描いて心に染み渡らせるところ。
この使い分けが、実に見事です。上記の展開に繋げるために、バランスよく、そしてうるさすぎずに機能しています。
そこには、子供らしい残酷さも加味されていて、単に心地よいだけでない、緊張感もじわじわと感じられます。

メッセージと描写が相まって、実に素晴らしい作品に昇華されたものと存じます。
ありがとうございました!(^ω^)